2023年07月31日 マエストロ チョン・ミョンフン&東京フィル オペラ演奏会形式 ヴェルディ『オテロ』 カテゴリ: 東京フィルハーモニー交響楽団のオペラ演奏会形式が、マエストロ・バッティストーニのシリーズ以来、好調です。コロナ禍真っただ中の時はお休みもありましたが、このところ、マエストロ・チョン・ミョンフンの棒で名上演が続きます。 昨年のヴェルディ『ファルスタッフ』… >>続きを読む
2023年07月30日 トリフォニーホール・ジュニア・オーケストラ・コンサート、アンコールは何と、指揮者の父上の名作 カテゴリ: 本日、すみだトリフォニーホールで開催された、墨田区が誇るトリフォニーホール・ジュニア・オーケストラの夏休みコンサートを拝聴してまいりました。このジュニア・オーケストラはトリフォニーホールを練習、及び本番会場として、同ホールの座付きオーケストラ、新日本フ… >>続きを読む
2023年07月29日 今日はシューマン忌 幸田延もシューマンをレパートリーとしていました。 カテゴリ: 7月29日はシューマン忌です。ロベルト・シューマンがボン郊外エンデニヒの施設で亡くなったのは1856年の本日ですが、エンデニヒの施設に収容される前にはデュッセルドルフで暮らし、その前にはドレスデンにいて、更にそれ以前はライプツィヒで新婚生活をスタートさせていま… >>続きを読む
2023年07月28日 21世紀の新しい傑作ヴァイオリン協奏曲が生まれ、昨夜、名手によって初演され、その名手に献呈されました。 カテゴリ: 現代日本を代表する作曲家のお一人、細川俊夫先生のヴァイオリン協奏曲〈祈る人〉が昨晩の読売日本交響楽団第630回サントリーホール定期演奏会で初演され、初演者の樫本大進さんに献呈されました。指揮は同響常任指揮者のマエストロ・ヴァイグレです。 この協奏曲は、樫本… >>続きを読む
2023年07月27日 歴史のはざまに埋没しかかっていた、幸田延 カテゴリ: なぜ、幸田延の伝記がなかったのか。昨日の記事では、そもそも、洋の東西を問わず、伝記の執筆対象は男性偉人が8~9割を占めたことを書きました。わたくしの個人メールに知人から、もうひとり、上げていただいたのは、「ヘレン・ケラー」でした。これは失念しておりました… >>続きを読む
2023年07月26日 そもそも、女性の伝記というものはあまり書かれてこなかったのでした。 カテゴリ: 昨日の続きです。 わたくしは小学校の時から、伝記が大好きで、学級文庫や学校図書館の伝記類を読みふけってまいりました。学年があがるたびに、それまで知らなかった人物の伝記と出会えるのも大きな楽しみでした。 今、朝の連続テレビ小説で扱っている、牧野富太郎博士… >>続きを読む
2023年07月25日 最新刊『幸田延』について、今日、ズームインタビューを受けました。 カテゴリ: 「幸田延」という、日本の洋学受容期の第一人者について、わたくしが、おぼろげに関心を持ちましたのは、前世紀の末頃でした。でも、当時は、いろいろな資料をあたりましても、わずかな、それもあまり好意的でない言及しかなく、隔靴掻痒の思いでした。それゆえ、かえって… >>続きを読む
2023年07月24日 モーツァルトの愛した、シュタインとヴァルター 久元祐子さんが二種のフォルテピアノを弾き比べました。 カテゴリ: 1777年、21歳のモーツァルトは、マンハイムとパリを主要目的地とする求職旅行の途上、アウグスブルクで、名製作家アンドレアス・シュタインの工房で彼の手になるフォルテピアノを試奏させてもらい、そのムラのない響きに感嘆して、すっかりフォルテピアノの虜となり、ザル… >>続きを読む
2023年07月23日 読売日本交響楽団 第259回土曜マチネーシリーズ、鈴木優人マエストロのしなやかなプログラミング カテゴリ: 昨日7月22日、東京藝術劇場で、読売日本交響楽団 第259回土曜マチネーシリーズを拝聴してまいりました。同団のクリエイティブ・パートナーの鈴木優人さんが指揮のみならずオルガン、チェンバロも担当され、ソリストとして、読響初共演のリコーダーのアンドレアス・ベーレ… >>続きを読む
2023年07月22日 ワルターが晩年に見出した不世出のコントラルト歌手キャスリーン・フェリアー カテゴリ: 苦楽を共にした最愛の妻、エルザに先立たれて2年後の1947年、71歳になったワルターは、イギリス人のコントラルト(contralto、低めのアルト)歌手、キェスリーン・フェリアーを見出します。1912年生まれのフェリアーは、経済的な理由から音楽大学に学ぶことができず、電話… >>続きを読む
2023年07月21日 グレーテルの悲劇の2カ月後、ワルターはアメリカへ逃れますが… カテゴリ: ルツェルンで、ワルターが愛娘の悲報に接して到底指揮のできる状態ではなくなり、彼の予定コンサートをトスカニーニが振ったのは1939年8月21日でした。 そのわずか11日後の9月1日、ナチスがポーランド国境を侵犯して第2世界大戦が始まりました。ただでさえ傷心のワルターは… >>続きを読む
2023年07月20日 ワルターに代わって急遽、指揮台に立ったトスカニーニ、そのわけは…… カテゴリ: 1938年3月13日、ナチス・ドイツはオーストリアを併合し、オーストリア国内からユダヤ人の追放に取り掛かります。このときちょうど、ブルーノ・ワルターはエルザ夫人を伴ってオランダ演奏旅行中でした。彼はそのままウィーンに帰ることはできなくなり、国籍もはく奪され、ウィ… >>続きを読む
2023年07月19日 ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ『美しき水車小屋の娘』 カテゴリ: 本日の小平楽友サークル講座では、ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ『美しき水車小屋の娘』を鑑賞いたしました。この方は、1993年暮れに、68歳で引退宣言をなさいました。今日鑑賞したフィルムは、その前年、1992年に行った一連のシューベルト3大歌曲集リサイタル… >>続きを読む
2023年07月18日 そこにひっそりと……‥カザルスホール カテゴリ: 猛暑の一日、お茶の水へ行く用事がございましたので、前々から気がかりだった、カザルスホールへ行ってみました。まさか、、、、とこわごわ、駿河台下へ下っていきますと、なつかしいエントランス・アプローチがあり、その奥に、ひっそりと、ございました。 何やら、無粋… >>続きを読む
2023年07月17日 東京二期会『椿姫』 カテゴリ: 東京二期会の『椿姫』公演を7月13日と、本日7月17日の2公演、拝聴させていただきました。ダブルキャストで、13日は、谷原めぐみさんのヴィオレッタ、村上公太さんのアルフレード、今井俊輔さんのジェルモン、本日は、種谷典子さんのヴィオレッタ、山本耕平さんのアルフレー… >>続きを読む
2023年07月16日 「まず、ここで勝ってから次へ行きたい」 カテゴリ: 1901年、マーラーの副指揮者としてウィーン宮廷歌劇場で、マーラーが稽古をつけておいたレパートリーはもとより、新たに与えられた相当数のオペラを指揮し始めたワルターは、密かに自信を持っていた『タンホイザー』まで、悪意ある新聞攻撃にさらされます。でもボスのマー… >>続きを読む
2023年07月15日 マーラーの身代わりにされ集中砲火を浴びたワルター カテゴリ: ウィキペディアの「ブルーノ・ワルター」のページに、ワルターの1901年から30年頃までの経歴は、このように記されています。「1901年にマーラーの招聘によってウィーン宮廷歌劇場の副指揮者となる。以後ウィーン宮廷歌劇場(ウィーン国立歌劇場)楽長、ミュンヘン宮廷歌劇… >>続きを読む
2023年07月14日 外山雄三先生のご逝去をお悼み申し上げます。 カテゴリ: 1931年5月10日生まれの指揮者、作曲家の外山雄三先生が7月11日にご逝去されました。わたくしは、今年5月27日に 東京芸術劇場で開催されたパシフィックフィルハーモニア東京 第156回定期演奏会で外山先生の演奏を聴かせていただいたばかりでした。その日のレポートを「モ… >>続きを読む
2023年07月13日 エセル・スマイスを見出したワルター カテゴリ: エセル・スマイス(1858-1944)は近年再評価のすすむイギリスの女性作曲家です。 スマイスは若き日にドイツに留学してライプツィヒ音楽院でヤーダスゾーンとライネッケに作曲を師事しました。でも、間もなく音楽院をやめ、その後はウィーンでヘルツォーゲンベルクから個人… >>続きを読む
2023年07月12日 『主題と変奏』ブルーノ・ワルター回想録 カテゴリ: 七夕に、マーラーの9番のことを書かせていただいたのを機に、ワルター指揮ウィーン・フィル1936年1月録音の名盤のお話に発展いたしましたら、ワルターの生涯を改めて知りたくなりました。略歴的なものは漠然と頭に入っており、お嬢さんの悲劇も思い返すたびに胸を衝かれま… >>続きを読む