萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2023年02月

  ベルリン・フィルの首席ヴィオラ奏者のアミハイ・グロスさんは、エルサレム弦楽四重奏団の創設メンバーとして室内楽でも豊富な経験を積んだ方で、数少ないヴィオラの国際的ソリストとしても活躍されています。昨日、2月27日の晩、東京文化会館小ホールで、グロスさんとピ…
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 2月25日の記事に、前日24日に拝聴した、一昨年ショパン国際ピアノコンクールの優勝者、ブルース・リウさんのリサイタルを採り上げました。そのアンコールとして、これまで聴いたことのない破天荒の『エリーゼのために』が演奏されたことと、その編曲者がイーサン・ウスラン…
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 本日、東京オペラシティコンサートホール、15:00開演のバッハ・コレギウム・ジャパン 春のカンタータ~魂の憩い~を拝聴してまいりました。指揮は鈴木優人さん。演奏されたのは、J. S. バッハのカンタータ第18番 《ちょうど雨雪が天から落ち》 BWV 18、カンタータ第35番 …
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 本日夕刻は、18:00よりサントリーホールで、ラファウ・ブレハッチさんのピアノ・リサイタルを聴かせていただいてまいりました。ブレハッチさんは、2005年第15回ショパン国際ピアノ・コンクールの優勝者です。この回は、もう、予選から、ポーランド人の彼の風貌がショパンそ…
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 2021年第18回ショパン国際ピアノ・コンクールの優勝者、ブルース・リウさんのピアノ・リサイタルを昨日2月24日の晩、東京オペラシティコンサートホールで聴かせていただきました。1500席の会場は女性聴衆をメインに満席。演奏されたのは、前半が、ラモーのクラヴサンのため…
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 二期会創立70周年記念公演、プッチーニ『トゥーランドット』を昨晩、東京文化会館大ホールで拝見いたしました。この記念公演の話題はいくつもございまして、まず、版について申しますと、お馴染みのアルファーノ補筆版ではなく、ルチア―ノ・ベリオ版が使われたことでした…
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  2021年10月の第8回ショパン国際ピアノ・コンクールに、1970年第8回の内田光子さん以来、二人目となる日本人第2位入賞を果たした反田恭平さんは、同コンクール入賞以前から、ソロ・ピアニストとしての活動だけではなく、自身のプロデュースによる室内楽やオーケストラ・コ…
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 昨日2月21日の夕刻19:00より、東京オペラシティコンサートホールで、アレクサンダー・ガヴリリュクさんのピアノ・リサイタルを拝聴いたしました。1999年ホロヴィツ国際ピアノコンクール第1位、2000年浜松国際ピアノ・コンクール第1位と1快進撃を続け、その後、自動車事故…
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 以前にも本ブログでご紹介した、フランスの女性作曲家セシル・シャミナードの作品のみを収録した、おそらく国内盤では初となる貴重なアルバム『セシル・シャミナード作品集』がコジマ録音さんからリリースされました。快挙です! ピアノ・トリオや、コンチェルトシュトゥッ…
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 J.S.バッハの『無伴奏チェロ組曲』全6曲はチェストたちの宝物でしょう。演奏時間はそのチェリストの解釈にもより、版にもより、リピートの仕方にもよって、ずいぶんと長短の差が大きいのですが、全曲演奏すると通常の2時間リサイタルには収まりきらないため、2部または3部…
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 昨日2月18日は、14:00~18:00近くまで渋谷のオーチャードホールで日本オペラ協会公演『源氏物語』を拝見したあと、19:00~21:00近くまで世田谷パブリックホールで、こんにゃく座公演『アイツは賢い女のキツネ』を拝見いたしました。というわけで、移動時間含み、約7時間の…
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 本日2月18日、日本オペラ協会公演、オーチャードホール14:00開演、カーテンコールまで含めた終演およそ18:00の大作オペラ『源氏物語』を拝見いたしました。平安時代の紫式部が人間の性愛の業をテーマに書き上げた渾身の大作『源氏物語』が、イギリス出身の台本作家コリン・…
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 新国立劇場オペラ研修所は、3年間の修行年限のうちに、オペラ歌手を志す若手の方たちにそれに必要な多彩な科目をレッスンなさって、次代のオペラ歌手を養成される本格的な学びの機関です。毎年、卒業年次の歌手の方たちを中心とする修了公演を中劇場で開催されていて、今年…
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 来る3月12日、日曜日、JR西国分寺駅徒歩5分の古民家コンサートハウス、りとるぷれいミュージック ハウスコンサートに於きまして、このたび、デュオ・リサイタルをさせていただくことになりました。このコンサートは、わたくしが2021年に中央公論新社より出版させていただ…
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 本日、新国立劇場『ファルスタッフ』を鑑賞してまいりました。同劇場の『ファルスタッフ』は2004年、2007年、2015年、2018年に続く5回目の上演です。とても素敵なことに、初回のジョナサン・ミラー演出プロダクションが脈々と受け継がれ、同劇場の貴重な財産演目の一つとし…
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 本日2月14日は、午後と夜の、2つのオーケストラ公演を拝聴いたしました。まず、14:00から東京藝術劇場における、日本、演奏連盟主催の都民芸術フェスティバル公演の一つ、東京交響楽団コンサートを聴かせていただきました。 指揮は、東京音楽大学出身の石崎真弥奈さん、広…
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 昨日、今井信子さんのヴィオラ、伊藤恵さんのピアノで拝聴した、レベッカ・クラークのヴィオラ・ソナタについて、少し書こうと思います。ヴィオラ・ソナタという曲種には、レーガー、ヒンデミット、ハチャトゥリアン、ヴァインベルクらの無伴奏の作品と、ブラームスの2曲(…
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 ヴィオラの今井信子さんが、ピアノの伊藤恵さんとのデュオで、本日2月12日、東京文化会館小ホールでリサイタルを開かれました。ヴィオラという、地味な楽器のリサイタルであるにもかかわらず、今井さんがいかにこの楽器の達人であるかを知り尽くしたお客様で会場はほぼ満席…
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 米ソ冷戦時代の1958年、実際の戦争など起こしたら、世界が終わってしまうことをいくら何でもわかっていて、ならば、芸術文化ジャンルで相手に優位を示そうと創設されたチャイコフスキー国際音楽コンクールは、その後きちんと 4年に一度のサイクルで開催されてきました。第…
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 2010年のショパン国際ピアノ・コンクールに18歳か19歳で第3位入賞を果たし、翌2011年に、ルービンシュタイン国際ピアノコンクールとチャイコフスキー国際コンクールピアノ部門に立て続けに優勝して、世界の音楽ファンをあっといわせたダニ―ル・トリフォノフが、只今、日本…
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