萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2022年10月

 シューベルトと同年生まれ、でも、シューベルトの倍以上の当時としては長寿にめぐまれて68歳で没した不世出のベルカント・ソプラノ歌手、ジュディッタ・パスタ(1797~1865)の業績を記念し、パスタにも匹敵する次世代オペラ歌手の出現を応援する「ジュディッタ・パスタ記念…
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 本日午後、東京オペラシティコンサートホールで開催されたバッハ・コレギウム・ジャパンの第152回定期演奏会で、ジュースマイヤーの補筆完成版に基づく鈴木優人さん補筆校訂版によるモーツァルト『レクイエム』を聴かせていただきました。モーツァルトが完成させられないま…
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 小山実稚恵さんの新シリーズ『以心伝心』は、サントリーホールを会場に今年から毎年1回、2025年まで4回にわたるコンチェルト・シリーズです。各回、異なる指揮者とオーケストラを協演相手に招き、小山さんが今もっとも聴いて欲しい旬のコンチェルトを聴き手に届ける、とい…
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 9月22日の本ブログにも書きましたように、わが国を代表する弦楽四重奏団の一つ、古典四重奏団は、1986年に東京藝術大学と同大学院の卒業生4名で結成されたカルテットで、80数曲のレパートリーをすべて暗譜演奏するという驚異的な団体です。つねに、シリーズ公演を継続して…
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  昨10月26日の晩、ルーテル市ヶ谷ホールで、戸田弥生さんの「バッハ無伴奏ソナタ&パルティータ全曲CD発売記念 バッハへのオマージュvol.1」と題した、リサイタルを聴かせていただきました。今年の4月、20年ぶりの再録音としてバッハの全6曲をリリースなさった記念公演です…
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 昨晩19:00よりサントリ―ホールで開催された、カンブルラン指揮 読響第622回定期演奏会では、配布プログラムに写真のようなお知らせが挟まっていて、2曲目に演奏される、一柳慧作曲《ヴァイオリン度三味線のための二重協奏曲》の世界初演が、図らずも、作曲家の最後の作品…
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 昨日、10月24日の夜は、東京文化会館大ホールで東京都交響楽団第961回定期演奏会Aシリーズを拝聴いたしました。指揮者は準・メルクルさん。プログラムは、前半が、2019年初演の細川俊夫『オーケストラのための《渦》』の再演、プロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番ニ長…
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  昨日はマエストロ・チョン・ミュンフン&東京フィルの、これぞヴェルディ喜劇の決定版ともいうべき『ファルスタッフ』を拝見・拝聴してあらためてヴェルディのオペラ精神に感服したわけでございましたが、実はその2日前に、ドイツ在住でただいま北イタリアを行脚中の音楽評…
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 マエストロ・チョン・ミョンフンと東京フィルはこれまでにも『蝶々夫人』『フィデリオ』『カルメン』など、名作オペラをコンサート形式で上演なさり、このスタイルならではの、密度の濃い音楽と歌に集中できる歌手の名唱を堪能させてくださる一方、ステージ上の小さな空間…
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 本日10月22日14:00開演の、東京交響楽団川崎定期演奏会第88回を拝聴いたしました。2014年度シーズンより同団の第3代音楽監督の任にあるイギリス人指揮者、ジョナサン・ノット(1962~)の指揮で、以下のプログラムを聴かせていただきました。■プログラムシェーンベルク:5…
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 昨晩、10月20日の夜19:00より、東京文化会館小ホールで開催された「金川真弓ヴァイオリン・リサイタル」を聴かせていただきました。KANAGAWA MAYUMIさんのリサイタルをお聴きしたのは、今回で2回目です。パンデミックより前に初めて聴かせていただいたときに、このような大…
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 世界各都市で上演されている、イギリスの劇作家トム・ストッパードの演劇『レオポルトシュタット』を本日、新国立劇場中劇場で鑑賞させていただきました。まずびっくりいたしましたのは、最初に照明をぱっと落として、漆黒の闇の中、マーラーの交響曲第1番『巨人』第2楽章…
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 2010年から9年間、読響の常任指揮者を務め、幅広いレパートリーと光を感じさせる明るい音色によって同響に輝かしい一時代を築いたフランス人指揮者、シルヴァン・カンブルラン(現在は、桂冠指揮者)が3年半ぶりに、同響の指揮台に立たれました。ソリストには、2015年のチャ…
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 フィンランド生まれ、26歳の俊英! クラウス・マケラとパリ管弦楽団がとてつもない旋風を巻き起こしています。東京の3公演が本夕で終わり、この後は、20日の愛知県芸術劇場コンサートホール、21日の岡山シンフォニーホール、23日の大阪フェスティバルホール公演へと、明日か…
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 本日10月17日はショパンのご命日でございます。フレデリック・フランソワ・ショパンは1810年のおそらく3月1日にワルシャワ近郊ジェラゾヴァヴォーラに生まれ、1849年10月17日にパリで亡くなりました。39年と7カ月の生涯は、1歳年長のメンデルスゾーンの38歳と9カ月よりは少…
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 本日午後、東京芸術劇場で東京都交響楽団 第960回定期演奏会Cシリーズを拝聴してまいりました。指揮者は、BBCスコティッシュ交響楽団の首席指揮者で、スウェーデン室内管弦楽団桂冠指揮者、トスカーナ管及びデンマーク国立響の名誉指揮者の称号を持つ、マエストロ・トーマ…
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 1996年1月フィンランド生まれ、現在26歳のクラウス・マケラさんは、12歳で少年合唱団員として『カルメン』公演に出演したときに、直感的に指揮者になることを決意して、迷いなくその道を歩んできた方で、シベリウス・アカデミーに入学してチェロと指揮を学び、早くからヨー…
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 本日10月14日は、昼公演として、すみだトリフォニーホールで、新日本フィルハーモ二―交響楽団コンサートを拝聴いたしました。上岡敏之指揮、上野星矢さんと山宮るり子さんソロのモーツァルト『フルートとハープのための協奏曲』、田部京子さんソロのベートーヴェンのピア…
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 本夕10月13日、すみだトリフォニー小ホールで開催された、日本音楽舞踊会議主催『様々な音の風景ⅩⅧ 」は、たいへんに意義深い公演でございました。近年の日本人作曲家の方たちの作品に、アルバン・ベルクの名作を加えた9つのプログラムが上演されたのですが、どれも、作…
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 今朝のラジオで、ロンドン生まれのピーター・バラカンさんがエリザベス女王陛下のおちゃめなエピソードを披露してくださいました。 ご最期の地となったスコットランドのバルモラル城には長年にわたって夏に滞在されるのが習慣でいらっしゃいましたが、同地でのお散歩のと…
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