萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2022年08月

 一昨晩、夜中にふと目覚めてラジオを付けましたら、遠い昔に聴いた、胸の締め付けられるような歌が流れてきました。 ずーっと忘れていたのに、聴いた瞬間、「あっ、ホリディだ、ビージーズだ」 何とも言えない懐かしい気持ちになっていますと、続けて『マサチューセッツ…
>>続きを読む

 本夕、紀尾井ホールで、ダン・タイソン ピアノ・リサイタルを拝聴してまいりました。ダン・タイソンさんといえば、1980年のショパン国際ピアノ・コンクールにアジア人として初の優勝者となられた1958年ヴェトナム、ハノイ生まれのピアニストです。ヴェトナム戦争の空爆下…
>>続きを読む

  1933年生れの小林道夫先生が半世紀来、継続してこられた「チェンバロ演奏会 J.S.Bach Goldberg-Variationen」の第50回を本日聴かせていただきました。当初の予定では昨年の12月24日に開催されるはずだったのですが、延期となり、8カ月後についに実現した記念すべきコンサ…
>>続きを読む

 本日は15時からのマチネ公演、サントリホール サマーフェスティバル2022のイサベル・ムンドリーさんの委嘱新作他を聴かせていただいて、現存バリバリの作曲家のリアルタイム発信に眼を瞠り、19時からのソワレ公演で、わが国弦楽四重奏団の現役老舗、東京ベートーヴェンカ…
>>続きを読む

 本日は、東京藝術劇場の読響マチネ―シリーズにうかがい、先日、壮大にして深遠なマーラー9番を聴かせてくださったばかりのユライ・ヴァルチュハさんをまたお聴きしてまいりました。 前半は、河村尚子さんをソリストに迎えた、ブラームスのピアノ協奏曲第1番です。河村さ…
>>続きを読む

 ヴァイオリンのリサ・ヴァティアシヴィリさんの新しいアルバム「シークレット・ラヴ・レター」が素敵です。子どものころ、自分の秘密をヴァイオリンにだけそっと打ち明けていたという彼女が、作曲家の秘密のメッセージのこめられた作品を選び、このタイトルのもと、1集のア…
>>続きを読む

 本夕、東京オペラシティコンサートホールで、チョ・ソンジンさんのピアノ・リサイタルを聴かせていただいてまいりました。ソンジンさんのピアノは、彼が浜松国際コンクールに優勝された2009年から聴かせせていただいていて、その頃でしたか、今夜と同じオペラシティでのリ…
>>続きを読む

 瀧廉太郎さまは、明治12(1879)年の本日、8月24日に生まれました。明治36(1903)年の6月29日に、23歳と10カ月で世を去られましたので、この世でお誕生日を祝った回数は、たった23回。胸が痛みます。 わたくしたちは廉太郎さまのことをもっぱら「作曲家」として認識しており…
>>続きを読む

 1976年ブラチスラヴァ生まれの Juraj Valčuha ユライ・ヴァルチュハさんは2016年からナポリ、サンカルロ劇場の音楽監督、17年からベルリン・コンツェルトハウス管の首席客演指揮者、そして22年6月にヒューストン響の音楽監督就任と、快進撃を続けておられる指揮者です。…
>>続きを読む

 サントリーホールの「サマーフェスティバル2022」が昨日21日より幕を開けました。わたくしは本日19:00より大ホールで開演された、「クラングフォルム・ウィーンがひらく 大アンサンブル・プログラム」から拝聴いたしまして、この編成、この人数の巨大アンサンブルが室内楽…
>>続きを読む

 ああ、それをおっしゃっては実も蓋も・・・と思わず身を固くしたその時、すかさず岡本誠司さんが、話題の流れを変えました。いやはや、お見事なサポートでした。 本日、14:00~17:00、ヤマハホールで、仲道郁代さんの2027年ベートーヴェン没後200年に向けた、大規模プロジ…
>>続きを読む

 本夕、サントリーホールで開かれた東京交響楽団の第702回定期演奏会で、プラハ出身の指揮者、ペトル・ポペルカさんを初めて聴いてまいりました。曲目は前半が、ウェーベルン:大管弦楽のための牧歌『夏風のなかで』、ソプラノの森谷真理さんがソロを歌われた、ベルク:歌劇…
>>続きを読む

 昨晩のサントリーホール、読売日本交響楽団名曲シリーズは、とても気持ちの良い演奏会でした。1994年フィンランド生まれの女性指揮者エミリア・ホーヴィングさんの日本デビューであること、ホーヴィングさんが同国のラウタヴァーラの『至福の島』(1995年作曲)、および、シ…
>>続きを読む

 本日、これからサントリーホールで開催されます読響名曲シリーズに、1994年生まれのフィンランドの新星、マエストロ・エミリア・ホーヴィングが登場なさいます。クラリネットとチェロ、ピアノを学んだのち、サカリ・オラモ他に師事された方だそうで、国際的注目株。今回が…
>>続きを読む

 今日、仲良しの友人から、お盆の入りの日8月13日付の日経新聞の小さな切り抜きが送られてきました。何かしら?と拝見しますと、ピアニストの仲道郁代さんのお書きになった「亡き人の遺したもの」というコラムでございました。「私の母は25年前に亡くなった。」に始まるその…
>>続きを読む

 本日8月16日は「送り火」の日。お盆の間だけこちらへお戻りになって一緒に過ごしてくださった、大切な亡き方々が、またあちら側の世界にお帰りなられてしまわれる日でございます。わたくしどもは、送り火を焚いて、その御霊をお送りするわけでございます。さきほどテレビを…
>>続きを読む

 終戦の日の今日、ここ30数年来毎年この日に開かれている、東京フィルハーモニー交響楽団と同団副理事長の黒柳徹子さんによる「ハートフルコンサート」に出掛けてまいりました。数年前に聴かせていただいて以来、しばらくうかがっていなかったのですが、今年は、「ぶらあぼ…
>>続きを読む

  昨日の拙記事に対しまして、「光の春」さまからたいへん有意義なコメントをいただきましたので、ここに掲載させていただき、貴重な情報を共有させていただこうと存じます。◆「光の春」さまのコメント:1876年の「ニーベルングの指輪」初演参加者のうち、私の知る限り二…
>>続きを読む

 1876年8月13日、バイロイト祝祭劇場でワーグナー念願の彼の作品のみを上演する音楽祭の幕が上がりました。この日、上演されたのはもちろん『ニーベルングの指輪』四部作の序夜『ラインの黄金』です。 「ニーベルンゲンの指輪」初演(1876年)に登場したラインの乙女たち(…
>>続きを読む

 セシル・シャミナードの続きでございます。シャミナードの165歳のお誕生日記事に間怜智さまから、「シャミナード作曲、クライスラー編曲の『スペインのセレナード』をエリカ・モリーニのLPで聴いたのがシャミナードとの出会いでした」とのコメントをいただき、わたくしもク…
>>続きを読む