萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2022年03月

 昨日のブログに、ウクライナ国歌をささやかに合奏させていただいたことを書きましたが、どんなお歌なのか、音をご紹介できずに失礼しておりましたところ、壮麗にして力強い演奏動画を見つけましたので、ぜひぜひ、お聴きくださいませ。  3月14日にニューヨークのメトロポ…
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 昨晩、友人たちがお越しくださいましたので、この花を飾ってお迎えし、皆で「ウクライナ国歌」を合奏いたしました。もっと何かできることはないか、只今模索しておりましたら、 ニュースゼロの次のような報道に気づきました。 キーウの地域防衛隊 エリザベタ・コズレン…
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 ヨハンナ・マルツィは1924年10月26日にルーマニアに生まれ、ハンガリーのブダペストでイエーネ・フーバイに師事し、1943年にメンゲルベルク指揮のブダペスト・フィルと共演してデビューを飾った天才的ヴァイオリニストでした。1979年8月13日に病気、たぶんガンのため亡くな…
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 3月27日、ロシアの軍事侵攻と戦うウクライナとの連帯を表明するための、ドイツのフランクワルター・シュタインマイヤー大統領招待によるベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の無料コンサートがベルリンのベルビュー宮殿で開催され、急病の首席指揮者キリル・ペトレンコにか…
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 オンライン署名収集のできる老舗ウェブサイト「Change.org/チェンジ・ドット・オーグ」(2007年2月7日創設)に、全世界の音楽家約1,000名の署名付きで、次のような2つの趣旨の公開書簡が掲載されました。  書簡は、まず、前半でこう明快に主張します。 「プーチン政権…
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 本日はベートーヴェンのご命日でございます。 ベートーヴェンは1827年の本日、56歳と3カ月の偉大なご生涯を閉じられました。 この日に、希望あるご報告ができますことを嬉しく思います。 国際的人道支援活動で知られる著名ヴァイオリニスト、Daniel・Hopeさんが会長を務…
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 ヨハン・セバスティアン・バッハのカンタータ『楽しき狩りこそわが喜び』BWV.208は、現存する彼のカンタータの中でもっとも早い時期に書かれたもので、1713年2月27日の、ザクセン、ヴァイセンフェルス公クリスティアンのお誕生日に献呈されています。 クリスティアン公は…
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 地下シェルターで苦節の避難生活を送る、ウクライナ、キエフの若いヴァイオリニスト、イリヤ・ボンダレンコさんが、ウクライナの古い民謡「Verbovaya Doschechka」を弾き始めると、それに世界29か国94名のヴァイオリニストがハーモニーをつけていき、平和への祈りをこめた…
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 本夕は、サントリーホールで開催された、オーケストラ・アンサンブル金沢の東京公演を聴いてまいりました。指揮者は、川瀬賢太郎マエストロ。杉山洋一氏への委嘱作品「揺籃歌(自画像Ⅰに続いて、ショパンのピアノ協奏曲第1番。ソリストは、2001年生れ、今、人気急上昇中の…
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 ウクライナ、ハリコフは今、激烈な爆撃に応戦しながら、その合間に兵士が楽器をとって、国歌を奏で、苛酷な状況に打ち震える同胞を励ましているとの写真と動画がアップされていました。The New Voice of Ukraineさん (@NewVoiceUkraine) / Twitter ここをクリックなさって…
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 本日は春分の日、春のお彼岸にして、ヨハン・セバスティアン・バッハの337歳のお誕生日でございます。昼と夜の長さが同じという、最高にバランスの良いこの日に生を享けられたということが、バッハの音楽の全方位的な素晴らしさを象徴しているかのようです。 これから、バ…
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  昨晩サントリーホールで樫本大進さんと小菅優さんのデュオリサイタルを拝聴いたしました。前半はベートーヴェン『スプリング・ソナタ』とグリーグの3番ハ短調のソナタ、後半はモーツァルトのト長調のソナタK.379とフランクのソナタ、という堂々のオール・ソナタ・プログラ…
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 1990年チャイコフスキー・コンクールの優勝者として知られ、来日公演も多かったロシアのピアニスト、ボリス・ベレゾフスキーさんの発言と、それに対する同世代のドイツ人ピアニスト、ラルス・フォークトさん、及び、ベネズエラ生まれのピアニスト、ガブリエラ・モンテーロ…
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 しばらくコンサートの話題から遠ざかってしまいましたので、今日は今週の月曜日から木曜日に拝聴した4つのコンサートに一言ずつ触れたいと存じます。 3月14日月曜日は、戦後の日本を代表するメゾソプラノで昨年7月25日に永眠された、伊藤京子先生の追悼演奏会を東京文化会…
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 ウクライナ南部、黒海に面したこの国の第三の都市オデッサが音楽家の宝庫である事は、この残虐な殺戮劇が起きた日、2月24日のブログに書かせていただきましたが、今、この音楽都市にも悪魔の手が迫り、スタッフと歌手たちは防戦準備に日夜働いておられるそうでございます。…
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  3月14日に、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場でウクライナ支援のためのチャリティ・コンサートが開催されたそうでございます。指揮は、同劇場音楽監督のヤニック・ネゼ=セガン。まず、ウクライナ国歌が演奏され、続いて現代ウクライナの作曲家ヴァレンティン・シルヴェ…
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昨日、滋賀県立びわ湖ホール(大津市)は、4月30日と5月1日の両日に開催する音楽祭「近江の春 びわ湖クラシック音楽祭」のフィナーレコンサートに演奏予定であった華やかなオーケストラ曲、チャイコフスキーの大序曲『1812年』を取りやめ、レスピーギの『ローマの松』…
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  昨日、東京文化会館所―ホールで、漆原啓子さんのデビュー40周年記念「漆原啓子&秋場敬浩デュオ・リサイタル」を拝聴いたしました。デビュー曲、プロコフィエフのソナタ2番のほか、シュニトケの『古風な様式による組曲』、チャイコフスキー『懐かしい土地の思い出』、ババ…
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 昭和20年3月10日は、一連の東京大空襲の中でも最大規模の下町大空襲が未明から実行され、10万以上もの貴い命が失われた日です。300機ものB29による無差別空爆に遭って火の海と化した被災地の一画に、現在は「すみだトリフォニーホール」が聳えています。  同ホールでは、…
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 みなさま既にご存知かもしれませんが、ハリコフのオーケストラメンバーでオペラやコンサートで活躍されていたヴァイオリニスト、ヴェラ・リトフチェンコさんは今も同地に留まり、地下壕で恐怖生活を送られながら、同じ思いの方たちにしばしの憩いのひと時を届けたいと、地…
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