萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2022年02月

 25日の本ブログで、同日からスタートするウィーン・フィルのアメリカ・ツアーを指揮する予定だったゲルギエフの降板、及び、代役にカナダ出身でメトロポリタン歌劇場の音楽監督マエストロ・ヤニック・ネゼ=セガンが決まったことをお伝えいたしましたが、プログラムの変更は…
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 ウクライナ情勢に胸の痛む日々が続きます。かの地では、コンサートどころではありませんのに、申し訳なきことながら、本日は、東京都調布市若葉町にあります桐朋学園の一画に昨秋オープンした「桐朋学園宗次ホール」にお邪魔して、オープニング・コンサートシリーズの一つ…
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 作曲者の生前には初演も出版もされず、誰も顧みることがなかったままだったのに、今では、泣く子も黙る超有名曲となった代表的音楽作品の一つに、ムソルグスキーの組曲《展覧会の絵》がございます。原曲はピアノ独奏曲ですが、ラヴェルのオーケストラ編曲を機に脚光を浴び…
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 昨日のロシアのウクライナ侵攻は、さっそく音楽界に波紋を広げました。本日の「スポーツニッポン」ネット記事をご紹介いたします。【見出し】ロシア出身の指揮者が米コンサート・ツアーから離脱 プーチン大統領とは親しい関係 ニューヨークのカーネギーホールとフロリダ州…
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 本日、世界の懸念が的中し、ロシアがウクライナへの攻撃を開始しました。いかなる理由があろうとも、武力をもって他国を侵やかすなど、あってはならないことではないでしょうか。なぜそのようなことを平然と行えるのでしょうか。今のところ、攻撃目標とされているのは空の…
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 本日2月23日は天皇陛下のお生まれあそばされた日でございますが、作曲家ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデル、こと、英国名ジョージ・フレデリック・ハンデルが今から337年前1685年に、ドイツ、ザクセンのハレの町に生を享けた日でもございます。 早くから国際感覚を発揮し…
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 今年、生誕200年を迎えたセザール・フランク(1822~1890)はベルギー生まれですが、少年時代にパリに移って同地を活動地としたため、近代フランスを代表する作曲家の一人に数えられています。彼が1888年に完成89年に初演した交響曲ニ短調は、サン=サーンスの第3番《オルガ…
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 昨日2月20日、新宿文化センターにて、日本オペラ協会公演の全2幕オペラ『ミスター・シンデレラ』を、拝見してまいりました。総監督は郡愛子先生、台本は高木達先生、作曲は伊藤康英先生です。鹿児島オペラ協会創立30周年記念に書き下ろされた同作は、2001年の初演以来、200…
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 上野優子さんは桐朋学園女子高を経て同大学年次に渡欧、イタリアのイモラ国際ピアノアカデミー、パリ・エコールノルマルでディプロマを取得された、たいへん優秀なピアニストでいらっしゃいます。その彼女が、2017年から「プロコフィエフのピアノ・ソナタ全曲演奏会」6回シ…
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 昨年、ジュネーヴ国際音楽コンクール・チェロ部門に優勝を遂げた大器、上野通明さんが、読売日本交響楽団の2月マチネにご登場、ドヴォルザークの協奏曲で堂々の優勝披露を果たされました。本日と明日の2公演がありますが、今日、東京藝術劇場で1日目を拝聴してまいりました…
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 過日このブログに、諏訪内晶子さんが満を持してバッハ無伴奏ソナタとパルティータ全6曲の録音作品をリリースなさったことを書きましたが、このほど、そのライヴ・コンサートが2回に分けて開催され、そのうちの2回目を、2月18日の晩に拝聴してまいりました。 録音のレビュ…
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 本日2月17日は、20世紀屈指の名指揮者ブルーノ・ワルターさまが85年と5カ月の波瀾のご生涯を閉じられた日でございます。没年は1962年ですから、今年の本日はちょうど没後60年のメモリアル・デーにも当たります。  ユダヤ系のご両親の元ベルリンに生まれたワルターさまは…
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 2月16日今晩、紀尾井ホール 明日への扉シリーズ ヴァイオリンの小林壱成さんのリサイタルを拝聴してまいりました。小林さんは東京藝術大学とベルリン音楽大学に学んだ実力派ヴァイオリニストで、近年、東京交響楽団のコンサートマスターに就任された方です。東京交響楽団…
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 作家で歌手のドリアン助川さんがpersonalityを務める深夜放送で「生きることに意味はあるのだろうか?」と若い人たちに問いかけたところ、「社会で役に立つために生まれてきた。社会の役に立たないのなら生きている意味はない」との答えが返ってきたそうです。助川さんはこ…
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 東京文化会館を会場とする東京二期会『フィガロの結婚』は、2月9日、11日、12日、13日の4公演がダブルキャストで上演されました。まず2月9日の初日に拝見しましたときは、大沼徹さんのスタイリッシュな伯爵、大村博美さんの淑やかな伯爵夫人、宮地江奈さんのはきはきとした…
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 わが国が世界に誇る名ハーピスト、吉野直子さんは、2016年から毎年、サントリーホール・ブルーローズを会場とするリサイタル・シリーズを継続されておられます。昨日2月12日に、その第7回を拝聴してまいりました。シリーズ初となる、共演者を迎えてのリサイタルで、ヴァイ…
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 2月11日夜、紀尾井ホール室内管弦楽団第129回演奏会を拝聴いたしました。対向配置をお得意とされる阪哲朗マエストロのもと、玉井菜採コンミス以下、同管弦楽団40名のメンバーが精緻の極みのようなアンサンブルで、モーツァルトの交響曲第36番ハ長調『リンツ』K.425、金子亜…
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 昨晩2月10日のサントリーホールは、本来ならば、読売日本交響楽団第615回定期演奏会として、シェフのセバスティアン・ヴァイグレ・マエストロがシュトラウスのオペラ『エレクトラ』を演奏会形式で上演なさる予定でした。しかしこの旅の水際対策強化により、歌手のエレーナ…
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 昨日2月9日、14:00より新国立劇場の『愛の妙薬』を拝見いたしました。指揮はひとつ前の『さまよえるオランダ人』に続いて、デスピノーザ・マエストロ。偶々入国されておられたことで、2作続けての代演です。ドイツに学び、ドイツに拠点をお持ちの方ですが、やはり、イタリ…
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 2月8日の晩、札幌交響楽団東京公演がサントリーホールで開催されました。指揮は滞日中のユペール・スダーン・マエストロがお引き受けになられ、ベルリオーズの劇的交響曲『ロメオとジュリエット』より「愛の場面」で幕をあけたあと、山根一仁さんをソリストに迎え、伊福部…
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