萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2021年12月

 この秋から日本フィルハーモニー交響楽団の首席客演指揮者に就任した、シンガポール出身のカーチュン・ウォンさんのお披露目演奏会が10日と11日にサントリーホールで開催され、そのうちの11日公演を拝聴いたしました。 ウォンさんは今年日本で、もっとも高くその星を登ら…
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 12月10日、本夕、19:00より銀座王子ホールで開催されました「ルドヴィート・カンタ&梯剛之デュオ・リサイタル」は、このお二人の演奏家としての真心溢れる高いレベルの演奏と、お見事なデュオをありありと示して、まことに感動的なコンサートでした。前半は、それぞれソロ…
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 つい6週間前に閉幕した、第18回ショパン国際ピアノコンクールの、第2位となられた反田恭平さんと、第4位を獲得された小林愛実さんのデュオ・リサイタルが、昨晩12月8日、19:00より池袋の東京芸術劇場でおそらく満席の大盛況理に開催されました。これ程、時宜を得たコンサ…
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 昨晩、渋谷区文化総合センターの伝承ホールで開催されました「トリオ・ハービッヒ」の第回コンサートを拝聴してまいりました。トリオ名の「ハービッヒ」とは、19世紀前半にウィーンで活躍なさったフォルテピアノの製作家、ヨアヒム・ハービッヒのお名前でもあり、この方の…
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 プッチーニのオペラ『蝶々夫人』のタイトルロールを世界各地で、抄演をふくめて2,000回歌った前人未到の記録を持つ日本人ソプラノ、といえば、明治17年、1884年生れの三浦環さんにほかなりません。環さんが晩年、親しい音楽評論家、吉本明光さん相手に半生を語ったものが、…
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 12月6日は「音の日」でございます。1877年12月6日、トーマス・エジソンさまは自身の発明になる蓄音器で音を録音、再生するのに初めて成功しました。このとき、エジソンさまはまだお若くでちょうど30歳でした。これにちなんで、12月6日を「音の日」とすることが、1994年に日…
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1791年12月4日、モーツァルトの病床を親しい友人たちが取り囲みました。病人は苦しそうに呼吸しながらもしっかりした声で言いました。 「みんな、きてくれてありがとう。できているところまで、『レクイエム』を歌ってみたいんだ。ぼくがアルト・パートを歌うから、他のパー…
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 本日18:00からサントリーホールで開催される、東京交響楽団第696回定期演奏会と、明日の川崎定期演奏会第84回は、シェフのジョナサン・ノット・マエストロの棒でブラームスのピアノ協奏曲第2番と、ルトスワフスキの管弦楽のための協奏曲の2本立てプログラムで、ブラームス…
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 12月14日に紀尾井ホールで来日公演が予定されているバルカン室内管弦楽団は、長くバルカンの地で辛抱強く音楽活動を続けておられる柳沢寿男マエストロが2007年に同地の民族共栄を願って設立した室内オーケストラです。 2009年11月に東京公演、2010年5月には、ボスニア人メ…
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 本日は江東区文化センターで開講中のドビュッシー講座の第2回でした。今回は「アジアの響きに耳を澄ませて」をテーマといたしまして、ドビュッシーの少年時代からパリ音楽院時代、イタリア留学時代を経て、1889年にパリ万国博覧会で彼がジャワのガムラン音楽と出会って大き…
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 昨日の記事に書きましたように、本日の小平楽友サークル講座では、ベートーヴェンの後期に足を踏み入れ、最初の2曲、第12番作品127をベルチャ・カルテットで、第15番作品132をアルバン・ベルク・カルテットで鑑賞いたしましたところ、席の配置について、ご質問をいただきま…
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