萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2021年10月

 10月最終日となる本日、エレクトーン奏者の神田将(かんだ・ゆき)さんが、この楽器奏者としては初となる、東京文化会館大ホールにおけるリサイタルを、2度の延期を乗り越えて、ついに開催にこぎつけ、ほぼクラシック楽曲によるプログラムで大成功を収められました。 前半…
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 東京芸術劇場が愛知、熊本の劇場と提携した全国共同プロジェクト、團伊玖磨の『夕鶴』の新制作公演を本日拝見いたしました。現代演劇界のホープ、1973年生れの岡田利規さんのオペラ初演出。物語の舞台を現代に置き換え、小さいけれども瀟洒な、屋上バルコニーのあるテラス…
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  今朝一番に、嬉しいニュースが飛び込んでまいりました。スイス時間の10月28日、ジュネーヴ国際音楽コンクール・チェロ部門の本選が開催され、その結果、ケルン在住でデュッセルドルフ音楽大学に在籍する、25歳の上野通明さんの優勝が決まりました。日本人として初となる快…
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 1893年、チャイコフスキーに、ケンブリッジ大学から名誉博士号が授与されることになり、この年の初夏、彼は栄光に満ちたイギリス旅行を経験します。イギリスから帰国後、彼は異様なスピードと熱心さをもって、渡英前から書き始めていた第6番目の交響曲を書き進めます。この…
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 ショパン・コンクールとほぼ同時期に開催されたため、ちょっと影が薄くなってしまいましたが、先ごろからジェノヴァのカルロ・フェリーチェ劇場では第56回パガニーニ国際コンクールが開催されておりまして、10月24日の本選の結果、20歳のイタリア青年ジュゼッペ・ギッコー…
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 雑誌『サラサーテの』の次号にこのたびのショパン国際ピアノ・コンクールの配信動画による第2次予選全レビューを書く羽目となり、思った以上に苦戦して多くの時間を費やしながら、どうにかこうにか、昨日の締め切り日に間に合わせることができました。なかなかこれに専念で…
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 本日は15:00~16:30   歌舞伎座と演舞場の中間あたりにございます築地社会教育会館で、タイトルの講座のlectureをしてまいりました。ヤマハの「おもしろ雑学事典」というシリーズ本の一冊として、かつて2007年に出版した拙著を読まれた講座のコーディネーターさまのリク…
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  本日は、小平楽友協会主催のライヴ・レクチャー・コンサートのご案内をさせていただきます。今回は、来たる11月10日(水)14:00より、西武新宿線小平駅前の「ルネ小平」レセプションホールにおきまして、「瀬﨑明日香ヴァイオリン・リサイタル」として開催の運びとなりまし…
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 第18回ショパン国際ピアノ・コンクール、反田恭平さん第2位入賞に沸いた10月21日は、中国の方々にとって、カナダ国籍ながら中国にルーツを持つブルース・リウさんの優勝ニュースに躍り上がった日だったかもしれません。するとその同じ10月21日、中国メディアが同国の著名ピ…
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  昨日は一日、ショパンコンクールの結果の情報収集に努め、それに関連して通信社、テレビ局の取材にお話するなどして慌ただしく過ごしまして、その前の前の晩(10月19日の晩)にサントリーホールで内田光子さんのリサイタルを聴かせていただいたご報告が今になってしまいま…
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 本日、TBSから、ショパンコンクールについての取材をうけ、ズームでお話いたしました。今、ズームの収録が終わったところでございます。明日10月22日のTBS朝番組「The Time」に反田さんがご出演になりますが、その蛇足として、わたくしのコメントも放映されるらしゅうござ…
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 10月20日の夜に本選の最終審査が終わりますと、ワルシャワ時間で10月20日から21日にかけての夜にショパン国際ピアノ・コンクールの結果が発表されます。これまでの4回の現地取材経験では、すんなりと決まったときは日付の変わらないうちに発表があり、審査が紛糾したときは…
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 10月20日本日は、午前中に小平楽友サークル講座で、ベートーヴェンの弦楽四重奏曲シリーズの一環として、グァルネリ弦楽四重奏団の演奏でラズモフスキーの3番を聴き、ラヴェル、ショーソン、エネスコも予習いたしまして、夕刻は、レオニダス・カヴァコスの「ブラームス ヴ…
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 世界最高峰のソプラノ歌手のお一人、エディタ・グルベローヴァさんが10月18日に74歳でご逝去されました。1946年12月23日、スロヴァキアのブラティスラヴァ生まれ。1970年2月に23歳の若さでウィーン国立歌劇場にデビュー。同劇場には生涯に700回以上出演されたとのことです…
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 キングレコードの松下久昭プロデューサーより、日本人ならどなたの心にもじんと響く、感動の玉手箱のような新作アルバムをお送りいただきました。 黛敏郎の『東京オリンピックエンディング』から、斎藤高順『東京物語』、佐藤勝『赤ひげ』、池辺晋一郎『影武者』、武満徹…
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  本日10月17日はショパン(1810~1849)のご命日。現在、ショパン・コンクールはご命日を取り囲む日程で開催されていて、この日は審査がお休みとなり、ショパンの心臓が安置された聖十字架教会での追悼ミサ&モーツァルト『レクイエム』演奏会に審査員はじめ関係者が出席な…
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  一昨日のことになりますが、10月14日の夜、サントリーホールで開催された「坂田知樹ピアノ・リサイタル」は、ああ、日本にもこのような国際レベルの技量と音楽内容を兼ね備えた頼もしいピアニストが出現しているのだ、と痛感される、嬉しくも誇らしいコンサートでした。 …
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 本日は半蔵門にございます、東京FM放送のスタジオへ愛器『鳳凰』を持ち込ませていただいて、同局の番組「トランス・ワールド・ミュージック・ウェィズ」にて、拙近刊『ウィーンに六段の調~戸田極子とブラームス」をテーマにお話をし、お筝を演奏させていただきました。 …
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 昨晩(10月13日19:00~) このピアニストの日本でのホーム・グラウンド紀尾井ホールを会場として、「ドイツ・ピアニズムの伝統を継ぐ名匠」ペーター・レーゼルさんの日本最後のリサイタルが開かれました。今回の来日時の最後のリサイタル、という意味ではなく、日本という…
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ワルシャワ時間の10月12日夜の部で第2次予選進出者45名のすべてのステージが終わり、結果が発表されました。第3次予選へ進まれることになった方々は次の23名です。第3次予選、つまりセミ・ファイナル進出を決められた23名のセミ・ファイナリストの皆さま、まことにおめでとう…
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