萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2021年09月

  本日で9月が終わりますと、いよいよ、ショパン・コンクールの月となります。10月2日のオープニング・コンサートに続いて、3日から第一次予選がスタートするのです。審査員の皆様も続々ワルシャワ入りなさるわけですが、そのお一人、ネルソン・フレイレさんがご病気のため…
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 本夕、読売日本交響楽団野第611回定期演奏会を拝聴いたしました。井上道義マエストロ肝いりの、下記のような滅多に聴けないプログラムでございます。とりわけ、アルゼンチン生まれのユダヤ系作曲家オスバルト・ゴリホフ(1960~)のチェロ協奏曲『アズール』の日本初演が゛宮…
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 1781年5月からウィーン生活を開始し、当初仕事がぐんぐんと波に乗っていたモーツァルトは、増え続ける自作の管理が不可欠と考えて、1784年から、自作品目録をつけはじめました。これはまことに素晴らしい仕事で、そのおかげで後世のわたくしどもは、彼の創作の歩みをつぶさ…
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 本夕は東京文化会館大ホールで、東京都交響楽団第935回定期演奏会Aシリーズを拝聴いたしました。指揮は都響への客演2回目のオランダ人マエストロ、ローレンス・レネス。出自に因んでか、1曲目はワーグナー『さまよえるオランダ人』序曲。その後はプロコフィエフに特化し、…
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 本日15:00より、東京オペラシティコンサートホールで開催されました、バッハ・コレギウム・ジャパンの第144回演奏会で、ベートーヴェンのオラトリオ『オリーブ山のキリスト』を拝聴いたしました。オリーブ山というのは、キリストが最後の時間を送ったゲッセマネの園のある…
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今から89年前の1932年9月25日、カナダのトロントにグレン・グールドが生まれました。グールド家はもともとゴールド姓でしたが、ユダヤ人にこの姓が多いことから反ユダヤ主義者の攻撃目標となることを恐れ、グレンの誕生後まもなく、父バートはグールドと改姓しています。バ…
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 本日、14:00よりすみだトリフォニーホールで新日本フィル、クラシックの扉 演奏会を拝聴してまいりました。指揮は大植英次マエストロ。 オーボエのソリストは吉井瑞穂さん。なかなか聴けないバロックの名協奏曲2曲を聴かせていただき、後半にはオーソドックスな気品あふ…
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 横山幸雄さんがデビュー30周年記念リサイタル、「ベートーヴェン・プラスVol.7」を本日東京オペラシティで開催なさり、ベートーヴェンの主要ソナタ6曲(悲愴、月光、熱情、op109,op.110,op111)、シューベルトの最後の大作ソナタ、ショパンのソナタ3番、リストのソナタという…
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 昨晩の日本フィル特別演奏会は、前半はグリーグの協奏曲、後半はリムスキーコルサコフ『シェエラザード』の2本立てでした。グリーグはコバケン・マエストロと長女・亜矢乃さんの息のあった協演。亜矢乃さんは体格に恵まれた安定感のあるピアニストで、背筋をしゃっきりと伸…
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 19日に芸術劇場の読響マチネConcertで、鈴木雅明マエストロ・優人さんの父子協演を拝聴したばかりですが、本夕は、小林研一郎マエストロ・亜矢乃さんの父娘協演を聴かせていただきにサントリーホールへまいります。 公演は、日本フィルハーモニー交響楽団の特別演奏会。演…
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 今日9月20日は、フィンランドの作曲家ジャン・シベリウスのご命日です。この方は、作曲家の中ではご長命グループに属し、日本の慶応元年1865年12月8日にフィンランド南部のハメーンリンナに生まれ、昭和32年、つまり1957年の本日に91歳で世を去られました。しかし、創作人…
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 本日、東京芸術劇場で開催された読売日本交響楽団野第240回日曜マチネ・シリーズでは、鈴木雅明マエストロが指揮棒をとられ、カール・フィリップ・エマニュエル・バッハの『シンフォニア ニ長調』、プーランクのオルガン協奏曲、メンデルスゾーンの交響曲第4番『イタリア…
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 昨晩、東京フィルハーモニー交響楽団の第958回サントリー定期シリーズを拝聴いたしました。2001年に同団のスペシャル・アーティスティック・アドヴァイザーに就任されて以来、20年にわたってこのオーケストラと信頼関係を築き上げてきた、現名誉音楽監督・チョン・ミュンフ…
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 昨夜、渋谷区文化center大和田さくらホールで拝聴した「オーケストラ・トリプティーク第9回演奏会 日本の作曲家 創作の歩み」は、想像させていただいていた以上に中身の濃い、考え抜かれた選曲と構成による充実のコンサートでございました。  1曲目は室内楽で、…
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 本夕は日本の作曲家たちの、今聴いておきたい作品を集めたコンサートを聴きにまいります。スリーシェルズの代表・西耕一氏がプロデュースするオーケストラ・トリプティークの第9回演奏会で、指揮は藤岡幸夫マエストロ,会場は渋谷区文化Center大和田さくらホールです…
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 9月14日の夜、ハクジュホールを会場として、チェロの大器、上村文乃さんが、留学時代から温めてきたアイディアを開花させた独創的なリサイタルを開催されました。会場に早めにつき、客席で開演を待ちました。 すると、ステージにピアノと、チェロ2台の演奏準備がしてあり…
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昨日は、岡本誠司さんのミュンヘン国際音楽コンクール優勝ニュースを速報させていただきましたため、クララ・シューマンさまのお誕生日祝いが今日になってしまいましたが、今は朝の6時台、かろうじて、ドイツの日付にまにあいました。1819年9月13日がこの不世出の女性音楽家…
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今朝、ミュンヘン国際音楽コンクールのヴァイオリン部門に、ドイツのクロンベルク・アカデミーに在籍中、27歳の岡本誠司さんが優勝なさったというニュースが飛び込んでまいりました。わたくしが岡本さんを知ったのは、彼がまだ19歳くらいの頃で、お若いのにずいぶんしっかり…
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 9月11日の土曜日、14:00よりサントリーホールで日本フィル第733回東京定期演奏会を拝聴いたしました。山田和樹マエストロのセンス抜群の選曲で、前半はショーソンの『交響曲変ロ長調』、後半は、水野修孝『交響曲第4番』。どちらも、実演で接する機会はあまりございません…
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 昨日9月10日は、14:00開演の新国立劇場オペラパレスを会場とする、藤原歌劇団公演、ベッリーニ『清教徒』を拝見し、そのあと、富ヶ谷のハクジュホールへ移動して、19:00開演の「平井千絵フォルテピアノ・リサイタル』を拝聴いたしました。どちらも、聴かせていただいて得る…
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