萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2021年05月

 フランツ・ヨーゼフ・ハイドンは1732年3月31日にオーストリア、ニーダーエスターライヒ州ローラウに車大工さんの息子として生まれ、1809年5月31日、ウィーンで当時としては長命な77年の生涯を閉じました。  ハイドンといえば、「交響曲の父」かつ「弦楽四重奏曲の父」で…
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 昨晩の日フィル定期は予想通りの快演でした。 プログラムも秀逸。   幕開けに演奏されたのは、スウェーデンの作曲家ステンハンマル(1871-1927)の序曲『エクセルシオール!』。天のいと高き所へ! を意味するタイトルにふさわしく、印象的な上昇モチーフがさまざまな…
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 昨晩は、高いハードルを乗り越えて、シェフを務める日本のオーケストラのために来日を果たしたジョナサン・ノットさんが「ただいま! 」のごあいさつでスタンディング・オペーションを勝ち取られたお話を書きました。けれども、どなたもそうそうたやすくは日本においでには…
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 本夕、ミューザ川崎シンフォニーホールで開催されました、東京交響楽団特別演奏会を拝聴してまいりました。指揮者とソリスト、演奏曲目は下記の通りです。イギリス人指揮者ジョナサン・ノットさんは2014年度以来、このオーケストラの音楽監督ですが、このたびの感染症拡大…
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 本日は非常にまれなるスーパームーンの皆既月食現象が起こる日だというので、その時刻の少し前、夜の8時前からスマホを忘れずに持って、ウルフのお散歩に出掛けました。すると、散歩道にいつになく人影が多くみられ、皆さま、空を見上げておられます。でも、家を一歩出た時…
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 昨日24日のベルギー時間20:10より、エリザベート王妃国際コンクールのファイナルが始まりました。ファイナリスト6名が毎晩1名ずつ登場して、今回のコンクールのために書き下ろされた新作、及び、任意のconcertoを演奏なさいます。昨晩は、ロシアのヴィタリ・スタリコフさん…
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 今月はなにかとリヒャルト・シュトラウスにご縁があるらしく、輸入盤ですが、とても生き生きとしたリヒャルトの新譜が届きました。『英雄の生涯』と『ブルレスケ』の2作品を収めたもので、録音データは次の通りです。R.シュトラウス:1. 交響詩『英雄の生涯』 TrV 190, Op.…
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 本日、新国立劇場『ドン・カルロ』を拝見してまいりました。マルコ・アルトゥーロ・マレッリ演出・美術によるこのプロダクションは、2006年、2014年に続く3回目。2001年に別のプロダクションで上演があったのを数えても、同劇場オープン以来、『ドン・カルロ』は今回で4回…
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『モストリークラシック』今月発売号に、「リヒャルト・シュトラウスから見た妻パウリーネ」、「マーラーから見た妻アルマ」という、夫たちに成り代わっての心情吐露手記を執筆していることは先日ご報告したかと存じますが、そのリヒャルトの一大傑作『アルプス交響曲』を一…
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 昨日のクララのご命日を「クララ忌」と命名させていただきましたが、実は「ミルテ忌」にさせていただこうかとも迷いました。御存じ、ロベルトが結婚記念にクララに捧げた歌曲集が『ミルテの花』だからです。その第1曲が、晴れやかな恋人讃歌『献呈』でした。 でも、ミルテ…
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 今日は「クララ忌」。クララ・シューマン没後125周年記念日です。仏教ですと、50回忌法要から先は、これほど家系が続いて故人を偲ぶ子孫が健在とはめでたいことだといって、お祝い事とするそうですから、125年忌ともなれば、クララを明るく偲ぶ日とさせていただいてよいか…
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  ベートーヴェンの・ソナタ・シリーズを続けている小平楽友サークル講座、本日はいよいよ、最後の3つのソナタに到達いたしました。皆で鑑賞したのは、ルドルフ・ゼルキンRudlf Serkin(1903.3.28-1991.5.8)の1987年のリサイタル映像でした。ゼルキンは、ときに84歳。ピアノ…
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 本日、東京芸術劇場で開催されました東京都交響楽団の第927回定期演奏会Cシリーズを拝聴いたしました。井上道義マエストロによるオール・フランス・プログラムは下記です。サティ:バレエ音楽《パラード》サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番 ロ短調 (ソロ::辻彩奈)…
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 昨日5月16日は、薄い氷の下には中止命令?という鰐が口を開いて待ち受ける中、何とかその氷が割れることなく、一期一会の記念公演が無事に開催されて感動的な大成功を収めた、記念すべき一日となりました。  その公演とは、R.ワーグナー 「ニーベルングの指環」ハイライト…
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  5月15日夜、ブリュッセルで開催されていたエリザベート王妃国際コンクール・ピアノ部門セミ・ファイナル出場者12名の審査が終わり、同日中に、ファイナリスト6名のお名前がアルファベット順に発表されました。以下の方々です。      Jonathan Fournel,      2…
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 昨年の今頃はほぼすべてのクラシック音楽公演がばったり止まってしまいましたが、本日現在、緊急事態宣言延長の規制内容が音楽公演全般に全面自粛を求めるものではなかったおかげで、都内施設では客席数の50パーセント以下に抑えた上で、感染防止諸対策を徹底すれば、コン…
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 昨晩、4月23日以来20日ぶりにサントリホールに出掛け、困難を乗り越えて来日を果たしたアンドレア・バッティストーニの指揮する「東京フィルハーモニー交響楽団第952回サントリー定期シリーズ」を聴かせていただいてまいりました。曲目は、ピアソラのオーケストラ大作『シ…
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 本日は、エリザベート、エルザ、エヴァ、イゾルテなどのワーグナー・オペラのヒロインから、アラベラ、ツェルビネッタといったシュトラウス・オペラのヒロインまでを歌いあげた、ドイツ・オペラ史上屈指の大ソプラノの71回目のご命日でございます。 こちらは、1894年夏、…
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  昨日お知らせいたしましたように、本日は小平楽友サークル講座、ベートーヴェン・シリーズVol.2の第4回を無事に開催させていただくことができました。今回のテーマは、ピアノ・ソナタ第28番作品101と第29番作品106『ハンマークラヴィーア』でしたが、第28番作品101につい…
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