萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2020年06月

 1903(明治36)年の今日、6月29日、瀧廉太郎が23年と10カ月の短い生涯を閉じました。瀧というと『荒城の月』『箱根八里』『花』の作曲家としてつとに知られていますが、彼は、わが国で初めて、西洋クラシック音楽書法に則ったピアノ独奏曲を書いた作曲家でもありました。そ…
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サントリーホール、チェンバーミュージックガーデン、リアルタイム生配信の全7公演が21日に終わりました。困難な状況のもと、あらゆるお知恵を結集し、手間暇をかけてこの無観客公演を実現なさったサントリーホールの皆様のおかげで、至福の楽のひとときを堪能させていただく…
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 6月は室内楽ファン待望のサントリーホール・チェンバーミュージック・ガーデンの季節。コロナ禍の今年は中止を覚悟しておりましたら、主催者、出演者の血の滲むような努力により、無観客の7公演が実現し、オンラインで有料ライヴ配信されました。 鑑賞料金は、6月21日の規…
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 1886年の今日、ワーグナー芸術の恩人ともいうべきバイエルン国王、ルードヴィヒ2世が、シュタルンベルク湖で、侍医のグッデン博士とともに謎多き死を遂げました。62年後、1948年の今日、日本の小説家、太宰治が美容師の山崎富栄さんとともに玉川上水に身を躍らせました。 …
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 1810年6月8日の金曜日、ドイツ中東部の鉱山都市ツヴィカウに、ロマン派音楽の騎手ロベルト・シューマンが誕生しました。梅雨入り前の爽やかな薔薇の花期、桜桃の恵みの季節に彼が生まれたことは、悲しい晩年に救いと慰めをもたらす嬉しい事実に思えます。こちらは本日の茅…
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 『魔弾の射手』の作曲家ウェーバーは茨の人生を歩んだ人でした。31歳のとき可憐なソプラノ歌手カロリーネと結ばれやっと幸せになりますが、妻子のために病身を押して渡英し、帰国目前の1826年6月5日、異郷で力尽きました。39歳でした。 彼がドイツ国民オペラの記念碑的先…
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