萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2020年04月

  本日の1曲は、ヴェルディが今から150年前に作曲し、翌1871年にエジプトのカイロ劇場で初演したオペラ『アイーダ』の第3幕、アイーダとアモナスロの二重唱でございます。この曲を選んだわけは、写真をみればおわかりでございましょう。一躍、時の人になられた世界保健機構…
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 国の民の健康をいかなる犠牲を払っても守ろうとする、お上の温かなお心尽くしが、昨日、届きました。小学校の給食当番の思い出が懐かしくよみがえる、小さなガーゼマスク2枚。なんでも、これを着ければ、不安がパッと消えるというご利益があるのだそうで、ありがたいことで…
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 このたびの新型コロナウィルスの感染拡大状況は、長期にわたるものと、覚悟が必要になってまいりました。人類は過去、何度も、広域的疫病流行の危機に見舞われ、その都度乗り切ってきたことは漠然と承知していましたが、危機的状況がどれくらいの期間にわたって続いたのか…
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 今朝、ラジオを聴いていましたら、三月歌舞伎も無観客で公演をおこなったこと、期間限定で、ライヴ動画を無料配信していることを報じていましたので、さっそく、通し狂言『新薄雪物語 花見』を拝見しました。                    薄雪姫は片岡孝太郎…
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 先日は、巌本真理さんの墓参をさせていただき、一つ、胸のつかえが取り除かれました。でも、まだまだ気にかかることが多々ございます。その一つが、真理さんの祖父、巌本善治らが中心となって、明治18(1885)年東京麹町に創設され、明治43(1909)年に、移転先の西巣鴨の…
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 ベートーヴェン生誕250年記念に湧きかえる2020年ですが、もうひとり、今年、記念年を迎えたのが、わが国最初の、本格的なソナタ形式による西洋器楽曲の作曲家・幸田延です。  わが国最初の、というタイトルを、延はいくつも有していて、文部省派遣音楽留学生の第1号でもあ…
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 葉桜の季節を待っていたかのように、芝桜が満開となりました。昨年より少し花期が早いようです。 4月16日、午後の日差しのもと、芝桜にたわむれる柴犬ウルフの撮影を終え、染井墓地へ出掛けました。前々から、ぜひ、お参りさせていただきたいと思っていた、巌本真理さんの…
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  みなさまもご存知のように、今年はベートーヴェンの生誕250年記念イヤー。  ベートーヴェンの32曲のピアノ・ソナタのうち、あまり人口に膾炙していないものを含めますと、12曲に愛称が冠されています。しかし、それらのうち、ベートーヴェン自身が名づけたものは第8番…
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 今からちょうど90年前の1930年4月1日、その数年前から夢の花園の住人となっていた一人の女性が、バイロイトの地で眠るように旅立ちました。1837年のクリスマスに、かの鍵盤の魔術師フランツ・リストとパリ社交界屈指の名花マリー・ダグー伯爵夫人との間の次女として生まれ…
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