昨12月26日の晩、王子ホールで開催された、「長原幸太&田村響 デュオ・リサイタル』を拝聴いたしました。1981年広島県呉市生まれの長原幸太さんは東京藝術大学とジュリアード音楽院(全額スカラシップ受給)に学ばれ、1998年、日本音楽コンクールに最年少優勝された逸材で、大阪フィルの首席コンサーマスターを経て、2014年から読売日本交響楽団のコンサートマスターを務めていらっしゃいます。
読響の演奏会にはでるだけ伺うようにしておりますので、コンサートマスターとしての長原さんの演奏はしばしばお聴きし、また今年の夏には霧島国際音楽祭で室内楽の数々も拝聴いたしましたが、ソロの本格的リサイタルは昨夜が初めてでした。
田村響さんは1986年愛知県安城市生まれのピアニスト。愛知県立明和高校音楽科を卒業後、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学に留学されました。日本国内の多くのコンクールで実績をあげられたのち、2007年、当時はまだ普通に「ロン=ティボー国際音楽コンクール」(現在はロン=ディボー=クレスパン国際音楽コンクール)といった世界有数のコンクールに20歳の若さで優勝されて、一躍、お名前を世界に轟かせた方です。わたくしはその報に接した時のことをなぜかとても良く覚えておりまして、その後インタビューさせていただく機会もソロ・リサイタルを拝聴する機会もあり、田村さんの活躍ぶりを嬉しく思っておりました。最近の三浦文彰さんとのデュオも音楽の波長の合う、とてもよいコンビだと感じていました。
そのお二人の顔合わせということで、たいへん楽しみに出かけました。
1曲目はモーツァルトのホ短調ソナタ。長原さんは冒頭主題をとても繊細に開始され、モーツァルトの悲しみの片鱗のようなものをみせてくださったのちに、主題ごと、フレーズごとに色あいを変化させ、多彩な感情表現の綾をきめ細かく表出されました。
2曲目は、メンデルスゾーンのヴァイオリンソナタ・ヘ長調。1838に作曲・初演されましたが、改訂の意思があったため出版しないでいるうちに、メンデルスゾーンは亡くなってしまいます。
1953年にその未出版譜を発見して自ら校訂し、その校訂版を出版したのはメニューインでした。それから長らく、メニューイン校訂版が演奏されてきたのですが、2009年にベーレンライターから原典版が出版されたということで、昨晩はこのベーレンライター原典版による演奏でした。
わたくしはこれを実演で拝聴するのは初めてでたいへん興味深く聴かせていただきました。3つの楽章とも聴きどころ満載です。ことに第2楽章はアダージョですが変化に富んでいて、後半にはカデンツァ風のクライマックスも用意されていました。
後半1曲目は、パガニーニのカプリス24番の、かのレオポルト・アウアーによるピアノとヴァイオリン編曲版。これも初めて聴かせていただき、アウアーのお仕事の範囲の広さと編曲の仕上がりの良さに驚きました。
最後はサン=サーンスの1番のソナタ。随所にふんだんに盛り込まれた、サン=サーンス節を堪能いたしました。いずれの曲でも田村響さんの素晴らしいピアノが長原さんの名技を一層輝かせたことは申すまでもございません。
アンコール用に7曲ご用意されたとかで、客席に番号でリクエストを募り、その中から以下4曲を演奏なさいました。
チャイコフスキー : 「懐かしい土地の思い出」より「メロディ」
クライスラー : 愛の喜び
クライスラー : シンコペーション
モンティ : チャールダッシュ
2022年12月27日記
読響の演奏会にはでるだけ伺うようにしておりますので、コンサートマスターとしての長原さんの演奏はしばしばお聴きし、また今年の夏には霧島国際音楽祭で室内楽の数々も拝聴いたしましたが、ソロの本格的リサイタルは昨夜が初めてでした。
田村響さんは1986年愛知県安城市生まれのピアニスト。愛知県立明和高校音楽科を卒業後、ザルツブルク・モーツァルテウム音楽大学に留学されました。日本国内の多くのコンクールで実績をあげられたのち、2007年、当時はまだ普通に「ロン=ティボー国際音楽コンクール」(現在はロン=ディボー=クレスパン国際音楽コンクール)といった世界有数のコンクールに20歳の若さで優勝されて、一躍、お名前を世界に轟かせた方です。わたくしはその報に接した時のことをなぜかとても良く覚えておりまして、その後インタビューさせていただく機会もソロ・リサイタルを拝聴する機会もあり、田村さんの活躍ぶりを嬉しく思っておりました。最近の三浦文彰さんとのデュオも音楽の波長の合う、とてもよいコンビだと感じていました。
そのお二人の顔合わせということで、たいへん楽しみに出かけました。
1曲目はモーツァルトのホ短調ソナタ。長原さんは冒頭主題をとても繊細に開始され、モーツァルトの悲しみの片鱗のようなものをみせてくださったのちに、主題ごと、フレーズごとに色あいを変化させ、多彩な感情表現の綾をきめ細かく表出されました。
2曲目は、メンデルスゾーンのヴァイオリンソナタ・ヘ長調。1838に作曲・初演されましたが、改訂の意思があったため出版しないでいるうちに、メンデルスゾーンは亡くなってしまいます。
1953年にその未出版譜を発見して自ら校訂し、その校訂版を出版したのはメニューインでした。それから長らく、メニューイン校訂版が演奏されてきたのですが、2009年にベーレンライターから原典版が出版されたということで、昨晩はこのベーレンライター原典版による演奏でした。
わたくしはこれを実演で拝聴するのは初めてでたいへん興味深く聴かせていただきました。3つの楽章とも聴きどころ満載です。ことに第2楽章はアダージョですが変化に富んでいて、後半にはカデンツァ風のクライマックスも用意されていました。
後半1曲目は、パガニーニのカプリス24番の、かのレオポルト・アウアーによるピアノとヴァイオリン編曲版。これも初めて聴かせていただき、アウアーのお仕事の範囲の広さと編曲の仕上がりの良さに驚きました。
最後はサン=サーンスの1番のソナタ。随所にふんだんに盛り込まれた、サン=サーンス節を堪能いたしました。いずれの曲でも田村響さんの素晴らしいピアノが長原さんの名技を一層輝かせたことは申すまでもございません。
アンコール用に7曲ご用意されたとかで、客席に番号でリクエストを募り、その中から以下4曲を演奏なさいました。
チャイコフスキー : 「懐かしい土地の思い出」より「メロディ」
クライスラー : 愛の喜び
クライスラー : シンコペーション
モンティ : チャールダッシュ
2022年12月27日記

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