千代田区のかがやき大学後期講座「モーツァルトとは誰だったのか」が昨日で終了いたしました。モーツァルトの生涯と折々の作品を追ってまいりまして、最終回の昨日は未完の絶筆『レクイエム』までたどり着きました。オーケストラと混声合唱、独唱歌手4名という編成はベートーヴェンの第九と同じですが、歓喜の調べではなく、亡くなった方の魂を慰めるための鎮魂の曲、という性質上、第九のように頻繁に演奏されるわけでもございませんので、シリーズ最終回という機会にぜひ、みなさんとご一緒に聴きたいと思い、ニコラウス・アーノンクール指揮、ウィーン・コンツェルトゥス・ムジクス、ウィーン国立歌劇場合唱団、ラシェル・ヤカール(ソプラノ)、オルトルン・ヴェンケル(コントラルト)、クルト・エクヴィルツ(テノール)、ロベルト・ホル(バス)の1981年11月1日のライヴ映像で鑑賞いたしました。  
 当時52歳のアーノンクール、眼光鋭く、きびきびとした指揮ぶり、早めのテンポでぐいぐいと牽引します。2016年に亡くなられる直前まで、たびたび来日されて、最後まで引き締まった演奏を聴かせてくださったのがつい昨日のことに思えますが、もう亡くなられて6年、早いものだとしみじみ思いながら『レクイエム』の世界に浸りました。 地獄落ちを畏怖し、罪の許しを乞い、主の慈悲をひたすら希うキリスト教徒の方たちの宗教観と、「死は私たちの親しい隣人です」と、病床の父親にいたわりの手紙を書いたモーツァルト自身の死生観にもあらためて思いを至らせました。
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 いつも、わたくしの拙い話にお耳を傾けてくださり、名曲の名演への旅をごいっしょしてくださる皆様の何名かと、クリスマスツリーの前で写真を撮りました。
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