本日、千代田区かがやき大学のモーツァルト・シリーズ、第3回がございまして、『モーツァルトのオペラとピアノ協奏曲」というタイトルでお話いたしました。この二つのジャンルは、一見、まったく別のもののようにみえますが、どちらもモーツァルトがもっとも力を注いだジャンルと言ってよろしいのではないかと思われます。さらに、ピアノ協奏曲のそこかしこに、オペラのそこここを思わせる楽想がみいだせて、両者が実は結構近い関係にある事をうかがわせますことから、一つの回のテーマとさせていただきました。
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 ピアノ協奏曲は、第20番ニ短調K.466を内田光子さんの、モーツァルトが乗り移ったかのような弾き振りで鑑賞いたしました。ザルツブルク・カメラータ・アカデミアとの2001年の協演です。モーツァルトの心にいかなる嵐が吹きすさんだのか、葛藤に満ちた彼の心のうちを思いやらずにはいられない、血を吐くような曲想はいつ聴いても打たれますが、ことにこの内田さんの全身全霊を傾けての弾き振りの迫力には、ただただ、息を飲むばかりでした。
 その後、オペラ『魔笛』の名場面を飛び飛びに鑑賞いたしました。最初に第2幕のほうの『夜の女王のアリア』から始めたのですが、オーケストラの前奏からしてさきほど聴いたばかりのK.466を思わせるものがあり、エディタ・グルベローヴァのコロラトゥーラの昂ぶりも、K.466に吹き荒れたモーツァルトの心の嵐を連想させて、思わずはっといたしました。
                             2022年12月13日記