9月22日の本ブログにも書きましたように、わが国を代表する弦楽四重奏団の一つ、古典四重奏団は、1986年に東京藝術大学と同大学院の卒業生4名で結成されたカルテットで、80数曲のレパートリーをすべて暗譜演奏するという驚異的な団体です。つねに、シリーズ公演を継続していらっしゃり、今回はもう何巡めかのベートーヴェンです。その最終回が昨晩、10月27日の晩にルーテル市ヶ谷ホールで開催されました。
演奏されたのは、作品132と、大フーガを終楽章とした作品130の2曲。
作品132は、何と申しましても、第3楽章に『病から癒えた者の神に捧げる感謝の歌』が置かれた、胸に刺さる銘品です。教会旋法で書かれたこのノスタルジックな楽章を他の4つの楽章が取り囲む、アーチ状の設計が施されているのも、晩年のベートーヴェンの到達点を感じさせます。
もう1曲の作品130は、終楽章の巨大フーガがあまりにも一般受けしにくい、という周りの忠告によって、シンプルで親しみやすい新たな終楽章に差し替えられた作品ですが、やはり、本来のフーガ終楽章のほうが坐りがよい、と考える人々も多く、その形での演奏、録音も少なくありません。昨晩はまさに、その「大フーガ」終楽章による演奏でした。
演奏者には膨大なエネルギー、スタミナ、集中力が要求されますが、古典四重奏団の、川原千真さん、花崎淳生さん、三輪真紀さん、田崎瑞博さん、お見事でした。毎度のことながら、田崎さんのプレトークも充実した内容でした。終演後にご挨拶をさせていただきましたら、光栄にも、一緒に写真を撮ってくださいました。
具体的な公演評は『音楽の友』の、たぶん次号に。
2022年10月28日記
演奏されたのは、作品132と、大フーガを終楽章とした作品130の2曲。
作品132は、何と申しましても、第3楽章に『病から癒えた者の神に捧げる感謝の歌』が置かれた、胸に刺さる銘品です。教会旋法で書かれたこのノスタルジックな楽章を他の4つの楽章が取り囲む、アーチ状の設計が施されているのも、晩年のベートーヴェンの到達点を感じさせます。
もう1曲の作品130は、終楽章の巨大フーガがあまりにも一般受けしにくい、という周りの忠告によって、シンプルで親しみやすい新たな終楽章に差し替えられた作品ですが、やはり、本来のフーガ終楽章のほうが坐りがよい、と考える人々も多く、その形での演奏、録音も少なくありません。昨晩はまさに、その「大フーガ」終楽章による演奏でした。
演奏者には膨大なエネルギー、スタミナ、集中力が要求されますが、古典四重奏団の、川原千真さん、花崎淳生さん、三輪真紀さん、田崎瑞博さん、お見事でした。毎度のことながら、田崎さんのプレトークも充実した内容でした。終演後にご挨拶をさせていただきましたら、光栄にも、一緒に写真を撮ってくださいました。
具体的な公演評は『音楽の友』の、たぶん次号に。
2022年10月28日記
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