本日午後、東京芸術劇場で東京都交響楽団 第960回定期演奏会Cシリーズを拝聴してまいりました。指揮者は、BBCスコティッシュ交響楽団の首席指揮者で、スウェーデン室内管弦楽団桂冠指揮者、トスカーナ管及びデンマーク国立響の名誉指揮者の称号を持つ、マエストロ・トーマス・ダウスゴー。1963年コペンハーゲン生まれの北欧男でいらっしゃいます。
都響とは2015年月に初共演、今回は2度目の顔合わせです。
聴かせてくださったのは、ともに、1916年に作曲されたデンマークの管弦楽作品2曲と、宮田大さんのソロによるシューマンのチェロ協奏曲。
宮田さんのシューマンはよく手の内に入った名演でした。アンコールに、山田耕筰『あかとんぼ』を奏でられ始めたので、その変奏をなさるのかと思いましたら、そのままシューマン『トロイメライ』を続けられ、再び『あかとんぼ』で閉じられました。申すまでもなく、冒頭の「ド-ファ」の4度上行を共通項としたシンプルな名曲2曲の卓抜な取り合わせです。しみじみと心に染みるアンコールでした。
さて、1916年に書かれたデンマークの管弦楽作品2曲とは、ルーズ・ランゴー(1893~1952)の交響曲第4番『落葉』と、カール・ニールセンの交響曲第4番『不滅』です。
ランゴーの曲は初めて拝聴いたしました。この交響曲第4番は単一楽章形式の2部構成ですが、その中に、起伏に富んだ楽想が盛り込まれていて、いずれも親しみやすい主題でしたので、初めて聴いたとは思えないほど、すぐに共感を覚えることができました。これも、お国の作曲家の作品に誇りを抱く、マエストロ・ダウスゴーの熱意と力量の賜物と感じました。広田さんのオーボエ・ソロも絶品でした。
ニールセンの『不滅』は録音よりも実演のほうがはるかに面白い曲の好例で、それは、何と申しましても、最後の楽章までずっと沈黙していた第2ティンパニが、ついに水を得たお魚のようにここで大活躍なさるのを目と耳で楽しむことができるからなのでございます。第1ティンパニと呼応し合って繰り広げる、2組のティンパニの妙技はこの曲の聴きどころの一つでしょう。
本日は、第1ティンパニは正面中央、第2ティンパニはステージ一番前の上手、ヴィオラの真後ろ、という配置でございました。
もちろん、その他の楽器の奏者の方たちのご活躍ぶりも堪能させていただきました。
2022年10月16日記
都響とは2015年月に初共演、今回は2度目の顔合わせです。
聴かせてくださったのは、ともに、1916年に作曲されたデンマークの管弦楽作品2曲と、宮田大さんのソロによるシューマンのチェロ協奏曲。
宮田さんのシューマンはよく手の内に入った名演でした。アンコールに、山田耕筰『あかとんぼ』を奏でられ始めたので、その変奏をなさるのかと思いましたら、そのままシューマン『トロイメライ』を続けられ、再び『あかとんぼ』で閉じられました。申すまでもなく、冒頭の「ド-ファ」の4度上行を共通項としたシンプルな名曲2曲の卓抜な取り合わせです。しみじみと心に染みるアンコールでした。
さて、1916年に書かれたデンマークの管弦楽作品2曲とは、ルーズ・ランゴー(1893~1952)の交響曲第4番『落葉』と、カール・ニールセンの交響曲第4番『不滅』です。
ランゴーの曲は初めて拝聴いたしました。この交響曲第4番は単一楽章形式の2部構成ですが、その中に、起伏に富んだ楽想が盛り込まれていて、いずれも親しみやすい主題でしたので、初めて聴いたとは思えないほど、すぐに共感を覚えることができました。これも、お国の作曲家の作品に誇りを抱く、マエストロ・ダウスゴーの熱意と力量の賜物と感じました。広田さんのオーボエ・ソロも絶品でした。
ニールセンの『不滅』は録音よりも実演のほうがはるかに面白い曲の好例で、それは、何と申しましても、最後の楽章までずっと沈黙していた第2ティンパニが、ついに水を得たお魚のようにここで大活躍なさるのを目と耳で楽しむことができるからなのでございます。第1ティンパニと呼応し合って繰り広げる、2組のティンパニの妙技はこの曲の聴きどころの一つでしょう。
本日は、第1ティンパニは正面中央、第2ティンパニはステージ一番前の上手、ヴィオラの真後ろ、という配置でございました。
もちろん、その他の楽器の奏者の方たちのご活躍ぶりも堪能させていただきました。
2022年10月16日記
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