少し前に、第21回シューベルト国際ピアノデュオ・コンクールに日本人姉妹が優勝なさったというニュースに接して、どんな方たちなのだろうかと関心を抱いておりましたところ、本日の、東京交響楽団 オペラシティシリーズ第129回演奏会にお二人が出演され、同団の音楽監督、マエストロ・ジョナサン・ノットの棒でモーツァルトの2台のピアノのための協奏曲を演奏なさいました。
 お二人は2歳違いの姉妹とのことですが、お姿がとても良く似ていらして、ごく淡い薄緑と空色の色違いの同じデザインのドレスで登場なさるとまるで双生児姉妹のようでした。蓋を外した2台のピアノを客席に向けて並べ、マエストロがその前に立って指揮なさる配置です。
 お二人とも、音色が非常に美しく、弱音もよく透ります。しかし、よく聴くと、どちらも美しい音ではありますが、ソプラノとメゾソプラノとでも申しますか、地の音色がすこし異なっていて、その絶妙な溶け合いが音楽の奥行を増しているように感じました。姉の彩さんが6歳、妹のリサさんが4歳の時からデュォを組んでいらしたというだけあって、阿吽の呼吸でぴたりとアンサンブルが揃うのもさすがでした。
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 お二人とも東京藝術大学大学院音楽研究科修士課程ピアノ科で学び、ドイツ国立ロストック音楽・演劇大学ピアノデュオ科修士課程を最優秀の成績で修了。
 現在、同大学の国家演奏家資格課程に在籍。
‬2020年よりドイツ・Familie-Rahe財団奨学生。​ 

第70回ARDミュンヘン国際音楽コンクールピアノデュオ部門において、日本人デュオとして初の第3位入賞・併せて聴衆賞を受賞。

 第20回国際ピアノデュオコンクール( 日本 )第2位及びスタインウェイ賞受賞。

第7回国際ピアノデュオコンペティション( ポーランド )にて第1位及びパデレフスキ賞受賞。副賞として、2019年3月ポーランド・グダニスクにてリサイタルを行う。

第21回シューベルト国際ピアノデュオコンクール( チェコ )にて第1位

 なお、本日のコンサートの前半ではストラヴィンスキー『ダンス・コンチェルタンテ』とシェーンベルクがヘンデルのコンチェルト・グロッソを編曲した、弦楽四重奏と管弦楽のための協奏曲という、ちょっと珍しい作品を聴かせていただくことができました。弦楽四重奏のメンバーは全員同団の団員。小林壱成さん、服部亜矢子さん、武生直子さん、伊藤文嗣さん。なごやかな雰囲気の現代版コンチェルト・グロッソでした。
                            2022年10月9日記