本日9月24日、池袋の東京藝術劇場で、シェフのマエストロ・ヴァイグレ指揮、読売日本交響楽団第250回土曜マチネシリーズを拝聴してまいりました。1曲目はグリンカ『ルスランとリュドミラ』序曲、次いで、ロンドンを拠点とする、おそらくロシア系の若いピアニスト、パヴェル・コレスニコフさんのソロでラフマニノフ、パガニーニの主題による狂詩曲を拝聴いたしました。
昨晩聴いた、アレクサンドラ・ドヴガンさんとタイプは異なれ、とてつもない、若い才能でした。
そして後半のメイン・プログラムは、リムスキー=コルサコフの色彩感と臨場描写にあふれた交響詩『シェエラザード』でした。昨年から同響のコンマスのお一人になられた、林悠介さんがお見事なコンマス・ソロを繰り広げられて、暴君シェリア―ル王をなだめる才女シェエラザードの機知とやさしさが、ありありと伝わりました。
わたくしはこの交響組曲の第2曲「カランダール王子の物語」の真の意味を知ってから、この楽章に頭を垂れております。曲目解説でしばしば「滑稽な」と表現される、ファゴットの示すカランダール王子の主題は、そんなお笑いの王子ではないのです。
高貴に生まれ何不自由なく育ったカランダール王子は、苦境にある貧しい人たちの存在を知り。王宮を出て労働者となり、その賃金を貧しい人々に施して亡くなった聖者です。
わたくしは、この曲を拝聴するたびにそこに思いを馳せて、眼がしらが潤んでしまうのでございますが、本日のヴァイグレさん指揮、読響の演奏はその部分にたいへん深みがあり、洞察力に優れた名演でございました。
カランダール王子さま、いつ聴かせていただきましても、胸を打たれ涙腺の緩んでしまう、尊い尊いあなたさまを、たとえ架空の人物であれ、心よりご尊敬申しあげております。
2022年9月24日記
昨晩聴いた、アレクサンドラ・ドヴガンさんとタイプは異なれ、とてつもない、若い才能でした。
そして後半のメイン・プログラムは、リムスキー=コルサコフの色彩感と臨場描写にあふれた交響詩『シェエラザード』でした。昨年から同響のコンマスのお一人になられた、林悠介さんがお見事なコンマス・ソロを繰り広げられて、暴君シェリア―ル王をなだめる才女シェエラザードの機知とやさしさが、ありありと伝わりました。
わたくしはこの交響組曲の第2曲「カランダール王子の物語」の真の意味を知ってから、この楽章に頭を垂れております。曲目解説でしばしば「滑稽な」と表現される、ファゴットの示すカランダール王子の主題は、そんなお笑いの王子ではないのです。
高貴に生まれ何不自由なく育ったカランダール王子は、苦境にある貧しい人たちの存在を知り。王宮を出て労働者となり、その賃金を貧しい人々に施して亡くなった聖者です。
わたくしは、この曲を拝聴するたびにそこに思いを馳せて、眼がしらが潤んでしまうのでございますが、本日のヴァイグレさん指揮、読響の演奏はその部分にたいへん深みがあり、洞察力に優れた名演でございました。
カランダール王子さま、いつ聴かせていただきましても、胸を打たれ涙腺の緩んでしまう、尊い尊いあなたさまを、たとえ架空の人物であれ、心よりご尊敬申しあげております。
2022年9月24日記
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