本日は小平楽友サークルの講座の日でした。『名指揮者たちへの旅』シリーズの第2回として、シャルル・ミュンシュ(1891~1968)をとりあげ、このマエストロが独仏国境地帯のストラスブールのご出身で、同地が当時ドイツ領だったため「カール・ミュンヒ」として生まれられ、のちにフランスに帰化されて『シャルル・ミュンシュ』となられたお話をいたしました。
 ヴァイオリンを専攻してライプツィヒ・ゲヴァントハウス・オーケストラのコンサートマスターを務められるうち、指揮者の代演がきっかけで指揮者になられたマエストロは、ヨーロッパで成功を収めたのち、アメリカに渡って、ボストン交響楽団との黄金時代を築かれました。
 1962年にボストン響をやめてフリーになられたタイミングに来日され、日本フィルを振られたのですが、独仏両国に土壌をお持ちの強みで、ブラームスの1番をメインとするドイツ・プログラムと、ベルリオーズ『幻想交響曲』他のフランス・プログラムを振られました。
 本日は、そのうちの前者のライヴ映像を鑑賞いたしました。ただ、機械のご機嫌がよくなくて、映像は映るのに音が出ないというピンチを迎えました。
 さあ、どうしましょう!!  こまりました。
 しかしながら、サークル代表の山田さんの機転で、この危機を乗り切ったのでございます。
 いかにして、うまくいったのかは、ヒ・ミ・ツ……
 でも、ヒントは、朝、わたくしが家を出る時、虫の知らせか、ミュンシュ&ボストン響、ブラームス1番のCDをふとバッグに入れておいたのが幸いした、と申し上げたら、お判りでしょうか。
 なかなかにスリリングではありましたが、奇跡的にほとんど合った(少し嘘!)のでございます。
 それに、ミュンシュの構築するブラームスはまぎれもなく本物でございました。
 みなさま、寛容に楽しんでくださいましたのが何よりでした。

 次回10月5日の水曜日は、年に一度のライヴ・レクチャーコンサートの回です。
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 西武新宿線小平駅前の、ルネこだいら・レセプションホールに会場を移し、時間も午後2:00開演といたしました。
 ご出演くださるのは、わが国ピアノ界の至宝のおひとり、深沢亮子先生と、深沢先生の室内楽仲間のヴァイオリニスト&ヴィオリストの中村静香先生という超豪華なお二人です。
■演奏曲目
 ♪モーツァルト:ピアノ・ソナタ第10番K.330
   ♪シューマン:ヴァイオリンとピアノのための3つのロマンス  
 ♪ヴュータン:ヴィオラとピアノのためのエレジー
 ♪ドビュッシー:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ

 不肖わたくしが作曲家や作品について解説させていただくレクチャー・コンサートですが、お二人にも大いに語っていただきたいと思っております。
 深沢亮子先生のお母さまが、幼い少女だった亮子先生のピアノの成長記録をお綴りになられた『ピアノの日記』というご本が昭和30年代初めのベストセラーでございまして、わたくしはその復刻版を読み、大変感動した思い出がございます。
 音楽を愛する温かなご家庭で育まれた亮子先生は、ご自分から進んでピアノに向かわれるようになられたばかりではなく、普通のお勉強や外遊び、手芸なども大好きな前向きな少女に成長されるのです。そのごようすは家庭教育の理想の姿にほかならず、お子さんにピアノを学ばせるか否かにかかわらず、世のすべての親御さんに読んでいただきたい、と思ったものでした。
 日本音楽コンクール優勝やウィーン留学も、その延長線上にごく自然にもたらされて、今や傘寿を過ぎられた先生の現在へと無理なくつながるのだ、とわたくしは感じております。
 この機会に、そんなお話をうかがってみるのが楽しみでございます。
 中村静香先生も、日本音楽コンクールの優勝者。
 ヴァイオリンとヴィオラ、両楽器それぞれの魅力を堪能させてくださるに違いございません。
 これほどのキャリアの両先生の、3つの楽器の組み合わせによる演奏を聴けるのはまたとない機会と存じますので、みなさま、ぜひ、いらしてくださいませ。
 公開講座ですので、サークル会員以外のお客様、大歓迎でございます。
 入場料2,000円は、当日、受付でお支払いいただきます。
 ご希望の方は、このブログ記事のコメント欄からお申込みいただくか、わたくしのメール・アドレスyukiko99@io.ocn.ne.jpまでご一報くださいませ。
                                2022年9月21日記