昨9月17日の18:00よりサントリーホールで開かれた東京交響楽団第703回定期演奏会を拝聴いたしました。指揮者は、ウズペキスタン出身のアジス・ショハキモフさんというお若い方で、情熱的で勢いのある弾けるような指揮をなさる方でした。2010年のグスタフ・マーラー国際指揮コンクール第2位に輝き、その後ロンドン・フィル、バイエルン放送響、フランス放送響などからもよばれていらっしゃり、現在はストラスブール・フィルの音楽監督他のポストをお持ちです。
 1曲目のドビュッシー『イベリア』を聴いて、いかにもイベリア半島の民族文化を思わせる色彩的な響きと、3曲それぞれのムードの創出の手腕に、これはなかなかの指揮者でいらっしゃるという印象を持ちました。
 2曲目はトマジ『トランペット協奏曲』。ノルウェー出身のティーネ・ティング・ヘルセットさんという女性奏者の妙技を聴き、この楽器も男女の性差による向き不向きはなく、要は、技術と表現力と音楽的イマジネーションのゆたかさなのだ、と痛感いたしました。
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 メインのプロコフィエフの5番では、マエストロのクライマックスづくりのうまさに引き込まれました。
 帰りに、元楽団長の金山御大とお話いたしましたら、
「プロコフィエフはウクライナなんだってね」と。
 そうなのでございます。
 彼の生まれた、ソンフォツカという土地は、まさしく、現在のウクライナ東部、ロシアに狙われている緊張地帯ドネツク州なのです。
   こんな素晴らしい作曲家を輩出したウクライナに栄光を!!
 あらためて、昨今の領土奪還の報を嬉しく噛みしめております。
                                 2022年9月18日