昨5月18日の夜は、サントリーホールで、チョン・ミュンフン指揮、東京フィルハーモニー交響楽団の定期シリーズを拝聴いたしました。フォーレの組曲『ペレアストメリザンド』、ラヴェル『ダフニスとクロエ』第2組曲、ドビュッシー『海』、ラヴェル『ラ・ヴァルス』というオール・フランス・プログラムでございました。盤石の信頼関係にある指揮者とオーケストラが次々と聴かせてくださる4曲はいずれも色彩豊かなオーケストラ・ワークを生き生きと実現するもので、同じフランス音楽と言っても、3人の作曲家の、方法論、目指すところの違いもはっきりと聴き取れる名演揃いでした。
IMG20220518204617_20220518212302

 なかでも、もっとも興奮を掻き立てられたのは、最後の『ラ・ヴァルス』です。ダイナミクスの変動のなかで、ワルツの3拍子はしっかりと保たれて、破滅に向かって高揚していくその筋道が可視化されたかのような、息を飲むようにあざやかな演奏でございました。
 16日に、アルゲリッチ音楽祭の東京公演を、ご子息のチョン・ミンさんの棒で聴かせていただいたとき、本ブログに「お父さまそっくり」と書きましたが、こうして、中一日置いただけで、お父さまの演奏を聴かせていただきますと、やはりお父さまのお背中はとてつもなく大きかったことを実感いたしました。昨夜は、マエストロとオーケストラの最良好な結びつきの一つのお手本に存じました。
                                      2022年5月18日記