本日4月10日、東京・春・音楽祭の一環『マーラー《交響曲第3番》》公演を拝聴し、3つの大きな印象を受けました。
1つ目は、冒頭のホルン主題が、どう聴かせていただいても「ああ、やっぱりこれはブラームス!!」ということでした。あのヨハネスの第一交響曲終楽章の待ちに待ったあそこでございます。 マーラーが8本のホルンに吹かせているのは、マーラー一流のアイロニーに彩られてはいるものの、ヨハネスのあの主題の変形に間違いないと、本日、アレクサンター・ソディさんという若きマエストロの振った東京都交響楽団を聴いて確信いたしました。
マエストロ・ソディと都響、おみごとな演奏でございました。1860年生れのマーラーは、1895年、96年に、おそらくはウィーン進出の悲願をこめて、今やウィーン音楽界の最長老格のヨハネス・ブラームス(1833~1897)のもとを表敬訪問しています。93年に着手して96年8月6日に脱稿したこの第3番の冒頭及びフィナーレに、ヨハネスへの挨拶を込めたと考えるのが自然ではないかと存じます。
クリストフ・エッシェンバッハ、パリ管の演奏で冒頭部のホルンをご試聴くださいませ。
Mahler Symphonie no - 3 Orchestre de Paris Christof Eschenbach - YouTube
もう一つは、第3楽章中間部の、舞台裏から聴こえる夢幻のごときポストホルンの名演に聴き惚れたことでございます。さすがに、郵便馬車の信号楽器、倍音しか出せないポストホルンではなくて、トランペットの仲間のコルネットにミュートをつけて、舞台裏から超名手がお吹きになっておられましたが、その夢幻的な音色に陶然となりました。たいへんな名手が吹いておられました。名演を、ありがとうございました。
そして3つ目は、指揮のマエストロ・アレキサンダー・ソディの手腕でございます。
1982年12月、イギリスのオックスフォード生まれの若きマエストロで、クラーゲンフルト、ハンブルクの歌劇場のポストを務め、マンハイム歌劇場の芸術監督とのこと。フレキシブルな指揮で聴き手を魅了なさいました。
今後、間違いなく活躍の場をお広げになることでしょう。
2022年4月10日記
1つ目は、冒頭のホルン主題が、どう聴かせていただいても「ああ、やっぱりこれはブラームス!!」ということでした。あのヨハネスの第一交響曲終楽章の待ちに待ったあそこでございます。 マーラーが8本のホルンに吹かせているのは、マーラー一流のアイロニーに彩られてはいるものの、ヨハネスのあの主題の変形に間違いないと、本日、アレクサンター・ソディさんという若きマエストロの振った東京都交響楽団を聴いて確信いたしました。
マエストロ・ソディと都響、おみごとな演奏でございました。1860年生れのマーラーは、1895年、96年に、おそらくはウィーン進出の悲願をこめて、今やウィーン音楽界の最長老格のヨハネス・ブラームス(1833~1897)のもとを表敬訪問しています。93年に着手して96年8月6日に脱稿したこの第3番の冒頭及びフィナーレに、ヨハネスへの挨拶を込めたと考えるのが自然ではないかと存じます。
クリストフ・エッシェンバッハ、パリ管の演奏で冒頭部のホルンをご試聴くださいませ。
Mahler Symphonie no - 3 Orchestre de Paris Christof Eschenbach - YouTube
もう一つは、第3楽章中間部の、舞台裏から聴こえる夢幻のごときポストホルンの名演に聴き惚れたことでございます。さすがに、郵便馬車の信号楽器、倍音しか出せないポストホルンではなくて、トランペットの仲間のコルネットにミュートをつけて、舞台裏から超名手がお吹きになっておられましたが、その夢幻的な音色に陶然となりました。たいへんな名手が吹いておられました。名演を、ありがとうございました。
そして3つ目は、指揮のマエストロ・アレキサンダー・ソディの手腕でございます。

今後、間違いなく活躍の場をお広げになることでしょう。
2022年4月10日記
コメント
コメント一覧 (2)
それ以上に、第六楽章の冒頭はベートーヴェンの弦楽四重奏曲第16番第三楽章のラルゴ主題そのものです。この幽玄なテーマが大オーケストラによって精緻にかつ豊かに展開していく様は壮観です。
これらは、真似事や剽窃ではもちろんなく、巨匠たちへの敬意と憧憬を込めたものにほかなりません。
フィナーレの演奏がどうだったか、とても興味をそそられます。
yukiko3916
が
しました
「真似事や剽窃ではもちろんなく、巨匠たちへの敬意と憧憬を込めたものにほかなりません。」
と書いていただいた、まさにそれなのです。
ヨハネスが聴いたら、きっと、ニヤリとするでしょう。
しかも、そこに、マーラーがちゃんといる。彼以外の誰でもない、マーラーが屹立している。それが感動的です。
フィナーレは、児童合唱の「ピム、バム、ピム、バム」のうちに、いつ入ったかわからないように自然に入り、今までのいろいろな主題を丁寧に回想して進みました。そしていつからということもわからいいように自然に力を増していき、
それでもなお、まだテンポとダイナミクスの操作もありながら白熱度を増し、誠に壮大な終幕を迎えました。ト―今年40歳のマエストロ、大物にお見受けしました。
yukiko3916
が
しました