欧米では、クオーターのアニバーサリーを重視するそうでございますから、本日のシューベルトさまの200と25歳のお誕生日は是非、盛大に祝わせていただきたいものでございます。
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 この方にはさまざまなエピソードやら語り伝えがございますが、わたくしが感動してしまうのは、小さな私設学校、と申しましても日本の寺子屋規模ですが、その校長だったお父上がたいへんな音楽好きでいらして、毎晩一日の終わりには、その日一日が無事に終わったことを神に感謝して、チェロを一曲奏でるのを慣わしとして、1797年1月31日の晩も、小さなフランツが生まれたことへのお礼に、静かにチェロを演奏していたというエピソードでございます。そんなお父さまを持ったのですから、彼が音楽の神童として成長するのはごく自然なことであったでしょう。  
 全寮制の国立神学校コンヴィクトに入ると、音楽の先生ルジチュカ教授から「この子は手の中に和声を持って生まれてきた!」と驚愕されています。かのアントニオ・サリエリからも可愛がられました。
 そんな彼のお誕生日に、何を聴きましょうか?
 2日前に拝聴したばかりの、吉松隆先生が田部京子さんのために最後のソナタ第21番を協奏曲へと変貌させた『ピアノ協奏曲変ロ長調』はまだ耳に残っておりますので、今日は、この原曲の方を聴いて両作品、及び、シューベルトさまへのオマージュとしたく存じます。
 愛聴盤は、内田光子さまの下記のCDでございます。         2022年1月31日記
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