大晦日の本日、ミューザ川崎のシルヴェスター・コンサート、東京文化会館小ホールの「ベートーヴェン弦楽四重奏曲9曲」(途中の大フーガから)の2つのコンサートを拝聴し、すぐお隣の大ホールの「ベートーヴェン交響曲全曲演奏会」の賑わいぶりを横目で眺めながら帰途に就きました。
 ミューザ川崎のコンサートは、ピアノの牛田智大さん、ヴァイオリンの吉村妃鞠さん、チェロの佐藤晴真さんが、それぞれ、ショパン『英雄ポロネース』『アンダンテ・スピアナートと華麗なる大ポロネーズ』、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲、ドヴォルザークのチェロ協奏曲を演奏するという、贅沢な協奏曲コンサートで、それぞれ、お見事な表現力で聴き手を魅了なさいました。若手人気演奏家3人の出演、ピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲、チェロ協奏曲を一つのコンサートで楽しめる、とあって「完売御礼」の張り紙。
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 思いがけなく「大入り袋」!を頂戴いたしました。
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 弦楽四重奏曲コンサートは、3つのカルテットの出演で、中期以降のベートーヴェンの足取りをたどる試みです。これは途中からしか聴けませんでしたが、後期の深みある各曲はどれも、カルテット・エクセルシオ、古典四重奏団の名演とあいまって胸に響きました。
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 客席は熱心なお客様で一杯、演奏中は水を打ったような静けさですが、曲が終わると盛大な拍手。最後の作品135が終わったときは、多くのお客様がスタンディングオベーションで、古典四重奏団を讃えました。今回はことに、作品131が白眉でした。この団体は、何と、全員暗譜でベートーヴェン後期を演奏なさるのです。調弦も非常に緻密。納得のいくまで音を合わせてから演奏に入られます。
 お隣の大ホールでの交響曲ツィクルスは、小林研一郎マエストロの、これが最後のご登場ということで、このコンサートもだいぶ前から完売とうかがっておりました。買いたくても買えないお客様がかなりいらしたようです。
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 というわけで、2021年最後の本日、クラシックの明るい明日を感じさせるコンサートを3題、ひとつは通りすがりに雰囲気を味わわせていただいただけですが、実感させていただきました。
 2021年も早、去ろうとしております。2022年もどうぞよろしくお願いいたします。
                                               2021年12月31日記