昨日のクリスマス当日 ヴァイオリンの和波孝禧先生が長年続けておいでのクリマスマ・バッハシリーズ第29回を拝聴してまいりました。今回は、チェンバロ伴奏つきのヴァイオリン・ソナタ全6曲。チェンバロは、芸大卒業後オランダでレオンハルトに師事された名手、上尾直毅さんです。第1番から番号順に前半、後半,3曲ずつ。6曲すべてを1回のコンサートでお弾きになるのはたいへんなことですのに、あの持ち前の美しい音と、フレーズの入りの絶妙の呼吸、乱れのない安定したボーイング、ことに惚れ惚れとする美しい全弓を駆使して、お見事なバッハをお聴かせくださいました。上尾さんのチェンバロがこれまたすばらしく、第5番では、長大なカデンツァ風独奏で聴衆を魅了されました。お二人がお互いによく音を聴きあっていらっしゃるのがわかり、それゆえ、これほど親和力に満ちたデュオが実現しているのだと感じました。
最後の、お話にも胸をうたれました。こう、ご挨拶されたのです。
「長時間、わたしの道楽にお付き合いくださり、ありがとうございました。今回は、チェンバロとヴァイオリンのソナタ全曲を弾こうと自分で決めて準備しました。誰にこのプログラムを弾け、といわれたわけでもなく、自分で6曲全部を弾こうと考えて、チェンバロを上尾さんにお願いしました。どれもこれまでに弾いていますが、全曲は本当に久しぶりですし、もうすぐ77歳ですから不安もありました。それに、暗譜でしか弾けませんからなかなかたいへんでしたが、上尾さんのチェンバロの導きで無事に終えることができました」
ご自分で決められた以上、完遂に向けて努力を重ねられたというそのお話は心に響きました。
そしてもう一つ、素敵なお話がありました。
「来年は77歳になるので、絶対に、これを弾こうと決めている曲があります。それは、ブラームスのコンチェルトです」
喜寿になられてブラームスのコンチェルトとは、ずいぶんとご負担の大きな選曲ですが、その意味をすぐに理解させていただきました。
なんと、前向きで、粋なアイディアでしょう。
ブラームス唯一のコンチェルトは、Op.77なのでございます。
2021年12月26日記
最後の、お話にも胸をうたれました。こう、ご挨拶されたのです。
「長時間、わたしの道楽にお付き合いくださり、ありがとうございました。今回は、チェンバロとヴァイオリンのソナタ全曲を弾こうと自分で決めて準備しました。誰にこのプログラムを弾け、といわれたわけでもなく、自分で6曲全部を弾こうと考えて、チェンバロを上尾さんにお願いしました。どれもこれまでに弾いていますが、全曲は本当に久しぶりですし、もうすぐ77歳ですから不安もありました。それに、暗譜でしか弾けませんからなかなかたいへんでしたが、上尾さんのチェンバロの導きで無事に終えることができました」
ご自分で決められた以上、完遂に向けて努力を重ねられたというそのお話は心に響きました。
そしてもう一つ、素敵なお話がありました。
「来年は77歳になるので、絶対に、これを弾こうと決めている曲があります。それは、ブラームスのコンチェルトです」
喜寿になられてブラームスのコンチェルトとは、ずいぶんとご負担の大きな選曲ですが、その意味をすぐに理解させていただきました。
なんと、前向きで、粋なアイディアでしょう。
ブラームス唯一のコンチェルトは、Op.77なのでございます。
2021年12月26日記
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