クリスマス・イヴの本夕(12月24日、18:00開演)、サントリーホール主催のバッハ・コレギウム・ジャパン「メサイア」を拝聴してまいりました。この団体のコンサートは、先日、東京芸術劇場で鈴木優人さんの指揮によるベートーヴェンの第九を拝聴したばかりですが、今回の「メサイア」はお父上の鈴木雅明さんの指揮でした。オーケストラ、声楽アンサンブルの規模も第九より小さく、長く在籍されていらっしゃるメンバー中心の、引き締まった編成でした。雅明マエストロのきびきびとした指揮から生まれる音楽は、前進的でパワーがあり、響きは明澄で聴きやすく、メッセージ性にあふれたものでした。
ソプラノのソリストには松井亜紀さんが予定されていましたが、不調とのことで急遽、森麻季さんに替わられました。そのほかは、先日の第九と同じく、アルト(メゾ・ソプラノ)が湯川亜也子さん、テノールが西村悟さん、バス(バリトン)が大西宇宙さん。急な代演にもかかわらず、見事なアジリタを含む名唱をお聞かせくださった森さん、安定感のある湯川さん、甘くやさしい魅惑のテノール、西村さん、底力を感じさせた大西さん、皆さん、よくぞ、大任を果たされました。
「メサイア」は毎年聴かせていただいておりますが、いつ聴いても感動的なのは、キリストの後輪、受難、復活の3つの柱を扱って、最後の復活こそが最大の眼目なのだということを音楽で表現しきっていることと、これを書いた時のヘンデルが、オペラ事業の失敗や健康悪化などの失意のどん底にあったのに、そうした不幸を跳ね返してこれを書き上げ、起死回生を果たしたという不屈不撓の精神に、本作が重なるからでしょう。
人生、年を重ねればいろいろなことがございますが、ヘンデルと「メサイア」の故知を思い出して、明るく前向きに生きていきたいものと存じます。
2021年12月24日記
ソプラノのソリストには松井亜紀さんが予定されていましたが、不調とのことで急遽、森麻季さんに替わられました。そのほかは、先日の第九と同じく、アルト(メゾ・ソプラノ)が湯川亜也子さん、テノールが西村悟さん、バス(バリトン)が大西宇宙さん。急な代演にもかかわらず、見事なアジリタを含む名唱をお聞かせくださった森さん、安定感のある湯川さん、甘くやさしい魅惑のテノール、西村さん、底力を感じさせた大西さん、皆さん、よくぞ、大任を果たされました。
「メサイア」は毎年聴かせていただいておりますが、いつ聴いても感動的なのは、キリストの後輪、受難、復活の3つの柱を扱って、最後の復活こそが最大の眼目なのだということを音楽で表現しきっていることと、これを書いた時のヘンデルが、オペラ事業の失敗や健康悪化などの失意のどん底にあったのに、そうした不幸を跳ね返してこれを書き上げ、起死回生を果たしたという不屈不撓の精神に、本作が重なるからでしょう。
人生、年を重ねればいろいろなことがございますが、ヘンデルと「メサイア」の故知を思い出して、明るく前向きに生きていきたいものと存じます。
2021年12月24日記
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