本日、東京文化会館小ホールで、一人芝居と人形劇を融合させたオリジナル表現様式を持つスーパー・パフォーマー、平常さんの脚本、演出、美術、人形操作、台詞、そして、チェロ界のホープ、宮田大さんの音楽による、目の覚めるような舞台演劇「Hamlet ハムレット」を拝見してまいりました。平常さんお一人で上記すべてをトータルとして担当なさり、思いも及ばぬ人形操作、アイディアに満ちた演出によって、観る者の度肝を抜く舞台をつくりあげる方で、その手腕は、昨年の「400歳のカストラート」でとくと拝見してびっくりいたしておりました。 今回は2016年のプロダクションの刈込再演出とのこと、お手並みはまた一段と冴えて、シェイクスピア戯曲のなかでもっとも長編作である本作を、休憩含め2時間半で誰にでもわかりやすく、かつ感動的に表現なさいました。その平さんの固定化されない舞台進行に合わせて、こちらもたったお一人のチェロで、あの「ハムレット」のすべての場面の音楽を実現された宮田大さんの力量がこれまた並外れたもの。バッハの無伴奏組曲第番のプレリュードから始まって、ブルッフの「コル・ニドライ」、プロコフィエフの「行進曲」、イザイの無伴奏ソナタ、ヴィヴァルディの「四季」より「夏」、コダーイの無伴奏ソナタなどが縦横に駆使されました。
ことに印象的だったのは、オフィーリアの死の場面に流れたラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」とハムレットが亡くなるときのヴィタリの「シャコンヌ」でした。
一人のパフォーマーと一人の演奏家だけで、あの「ハムレット」が上演できてしまうとは衝撃的、と申し上げたいところですが、実は3人の黒子(全員女性でした)の方たちや、照明家の方、編曲、音楽、ブルーローズ井監督、演出助手、翻訳協力の方たちのコラボレーションの成果に他ならないでしょう。
平常さん、宮田大さん、上演に携わられたすべてのみなさま、ありがとうございました。
2021年12月18日記
ことに印象的だったのは、オフィーリアの死の場面に流れたラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」とハムレットが亡くなるときのヴィタリの「シャコンヌ」でした。
一人のパフォーマーと一人の演奏家だけで、あの「ハムレット」が上演できてしまうとは衝撃的、と申し上げたいところですが、実は3人の黒子(全員女性でした)の方たちや、照明家の方、編曲、音楽、ブルーローズ井監督、演出助手、翻訳協力の方たちのコラボレーションの成果に他ならないでしょう。
平常さん、宮田大さん、上演に携わられたすべてのみなさま、ありがとうございました。
2021年12月18日記
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