現在、小平楽友サークルでは「ベートーヴェン・シリーズ」を継続中ですが、明後日721日の講座では、ベートーヴェンがウィーンへ出る前年に未完の『レクイエム』を残して亡くなったモーツァルトを偲びます。モーツァルトが謎の男から『レクイエム』作曲依頼を受けたのが亡くなる年の7月下旬か8月上旬あたりですから、講座の日は作曲依頼からおよそ230年にあたるので、暑気払いに『真夏のレクイエム』を一席、お話させていただきます。

その日、夏だというのに灰色のマントをまとった見知らぬ男がモーツァルトのもとを訪れ、自身の名も依頼人の素性も明かさないまま『レクイエム』の作曲を依頼したのでした。モーツァルトは当時、9月にプラハで挙行されるレオポルト2世の戴冠式で上演するための『皇帝ティトスの慈悲』と友人の劇場主シカネーダーから依頼された『魔笛』の2作のオペラを同時進行中で疲労困憊していたのですが、高額報酬の半金をこの場で支払うといわれ、無理を承知でこの話を受けてしまいます。

彼は必死にペンを進めて8月下旬にプラハへ向い、96日に『皇帝ティトスの慈悲』を上演、ウィーンに戻って『魔笛』の仕上げを急ぎ、930日の初演日に何とか間に合わせました。そして、残る『レクイエム』を何とか完成させようと疲れた体に鞭打ちましたが、『ラクリモーザ』の8小節まで書いたところで、125日、ついに力尽きました。

 彼の死の引き金となった『レクイエム』の作曲依頼は、今から230年前のまさに今頃、真夏になされたのです。現在では、灰色のマントの男の正体も、真の依頼者も明らかとなっていますが、21日の講座では、そのお話もさせていただきながら、230年記念の真夏の『レクイエム』を鑑賞し、作品成立の謎に迫ります。

OIP

鑑賞映像は、ニコラウス・アーノンクール指揮、ウィーン・コンツェルトゥス・ムジクスの1981111(万聖節)、ウィーン楽友協会大ホールにおけるライヴ収録です。

 飛び入り参加、体験学習も歓迎いたしております。ご関心のあられる方は、721日、水曜日、10:0012:00、西武多摩湖線、青梅街道駅から徒歩4分、小平中央公民館へ直接お越しくださいませ。

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