昨年からの延期組も含め、今年はほとんど未曽有と言ってよいほど数多くの国際音楽コンクールが開かれています。10月に予定されているショパン・コンクールの予備予選が現在ワルシャワで進行中である事は、おとといのブログに綴りましたが、7月13日に予備予選に出場したばかりの、アレクサンデル・ガジェブ(Alexander Gadjiev イタリア/スロヴェニア、1994年12月23日生)が、18日にシドニー国際ピアノ・コンクールに優勝したとの報が、先ほど、ガジェヴのマネージャーさまから入りました。

えっ、えっ、ワルシャワからシドニーに駆け付けたの? シドニーにもエントリーしてしまって、もし演奏順がワルシャワの出番とかち合ってたらどうするおつもりだったの? それとも、ワルシャワを棄権してシドニー一本に賭けたの? と一瞬びっくりいたしましたが、そうではなくて、シドニーのコンクールがすべてオンラインだったため、こんな芸当が可能だったのでした。
ガジェヴは、2015年第9回浜松国際コンクールの優勝者。浜松コンクールのときは本選でプロコフィエフの第3番を怒涛の勢いで弾いてあざやかに優勝を決め、聴衆賞も手にしました。当時の彼はザルツブルクのモーツァルテウム音楽院でパヴェル・ギリロフに師事していましたが、その後ベルリンのハンス・アイスラー音楽大学で学んでいます。
浜松コンクールに優勝してからショパン・コンクールに優勝したお手本として、2015年ショパンの優勝者チョ・ソンジンのモデルがございますので、ガジェヴもソンジンに続きたいところでしょうし、周りも大いにそれを期待しています。つまり、ガジェヴはショパン・コンクールの優勝本命候補の一人です。その彼が、ショパンの前哨戦として、Sidneyを制覇してみせたのです。オンライン・コンクールなるものの出現で、このような事態が起きたのは、5月のモントリオール国際コンクールに、エリザベート受験中のス・ヨン・キム(韓国、1994年6月4日生)が優勝したのに続く2例目でございます。そのキム嬢も、もちろんワルシャワの予備予選に参加なさっています。
コンクールお受験も、高等パズルのような様相を呈してまいりました。
なお、ガジェヴは以下の賞も併せて受賞したということです。
Best Performance of a work by Liszt
Best Performance of a work by a Romantic
period composer (excluding Liszt)
Best Performance of a work by a Classical
period composer (excluding Beethoven)
Best Performance of an Australian Piece
Best Preliminary Recital
Best Program Presentation in Semi Final or
Final
2021年7月18日記
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