ブリュッセルでエリザベート王妃国際コンクールのピアノ部門第一次予選が始まったことを5月3日に書きましたが、その2日目の5月4日、あの、ワクチン大先進国イスラエルの首都テルアヴィヴで開かれていた、アルトゥール・ルービンシュタイン国際ピアノ・コンクールに日本から参加した桑原志織さんが第2位入賞を遂げたことが、桑原さんのツイッターに発表されました。
桑原さん、おめでとうございます!!
見事なご判断でしたね。
実は桑原さんは、エリザベートの書類・ビデオ審査を通過なさって、日本人出場予定者9名のお一人だったのですが、彼女ともうお一方、中迫研さんが棄権され、7名の出場となっていたので、どうされたかしら、と心配していたところでした。出場なさった7名のお名前とプロフィールは5月3日の記事にございますので、そちらもご参照くださいませ。
エリザベートはもともと、2020年5月開催予定だったものが1年延びてしまったため、ルービンシュタインとぴったり嵌ってバッティング。ルービンシュタインにも挑戦されるつもりだった桑原さんは、どちらを選ぶべきか悩み抜かれたことでしょう。
苦渋の決断が吉と出て、本当におめでとうございました。
今年は、すでにロン=ティボー・クレスパン・コンクールが開催断念、延期されたエリザベートは無観客となるなど、コンクールに大きな異変が起きていますが、そんな中で、思い切ってルービンシュタインに賭けた、桑原さんの選択が花を咲かせました。
◆桑原志織さんプロフィール
東京都出身。学習院初等科、女子中等科卒業後、
東京芸術大学音楽学部附属音楽高等学校に進学。
2014年第83回日本音楽コンクール第2位、及び岩谷賞(聴衆賞)受賞。
2016年第62回マリア・カナルス・バルセロナ国際音楽コンクール(スペイン)第2位、
及び最年少ファイナリスト賞受賞。
2017年第68回ヴィオッティ国際音楽コンクール(イタリア、ヴェルチェッリ)第2位、
及び Soroptimist Club賞受賞。
2018年3月 東京藝術大学音楽学部器楽科ピアノ専攻を首席で卒業。伊藤恵氏に師事。卒業時に、安宅賞、アカンサス音楽賞、大賀典雄賞、同声会賞、三菱地所賞、平山郁夫文化芸術賞を受賞。
2018年4月より、ベルリン芸術大学大学院(マスターソリスト課程)にて Klaus Hellwig 氏に師事。
2019年第62回ブゾーニ国際ピアノコンクール(イタリア、ボルツァーノ)第2位、及びブゾーニ作品最優秀演奏賞受賞。
わたくしは2017年3月15日に、日本製鉄文化財団主催の紀尾井ホール公演「紀尾井明日への扉」で拝聴したことがあります。
シューベルト:ピアノ・ソナタ 第19番 ハ短調 D958
ストラヴィンスキー:ペトルーシュカからの3楽章
ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』
この堂々たるプログラムに、力感溢れる演奏を繰り広げられたことを思い出します。とても、健康的なピアニズムの持ち主で、音量もたっぷりしておいででしたから、国際コンクールにはよく映えると思います。
それにしても、コロナ禍の合間を縫いながらコンクールの受け方に頭を使わなければならないとは、ピアニストもまったく、たいへんな時代です。
昨晩わたくしは、エリザベートを受けている阪田知樹さんのステージを配信で聴かせていただきました。下の写真は、阪田さんの演奏シーンです。
11:00から23分間ほど。以下の曲を、作品の内側に没入しつつ、客観性も失うことなく、全身全霊で弾いておられました。中でも『リゴレット・パラフレーズ』がもっとも彼らしかったと思います。
◆阪田知樹さんのエリザベート、第1次演奏曲目
ludwig van beethoven Allegro (Sonata n. 15
in D major op. 28) ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第15番『田園』作品28 第1楽章
fryderyk chopin Etude in A minor op. 10/2 ショパンのエチュード、イ短調 作品10-2
franz liszt Etude d'exécution transcendante
n. 5 "Feux follets" リストの超絶技巧練習曲第5番『鬼火』
franz liszt Paraphrase sur un thème de
Rigoletto de Verdi リストの『リゴレット・パラフレーズ』
今夜は、27:00、つまり、夜中の3時から務川さんですが、眠りに就かせていただいてしまいそうです。ごめんなさいませ。
2021年5月6日記
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yukiko3916
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