萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

2021年04月

 今日で卯月も最終日。2021年がもう3分の1過ぎゆきました。先の見えない状況下、ヨーロッパ音楽界も厳しい試練に晒されています。そんな中、4月24日、20世紀後半のドイツ語圏最高のメゾ・ソプラノ歌手として、ベーム、カラヤン、バーンスタインらと共演を重ねたクリスタ・ル…
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 今朝、NHKラジオをつけますと、貴婦人のごとき語り口と、伝法でドスのきいた言い回しを併せ持つ、魅惑のバスバリトンのお声が流れてまいりました。お話の途中だったので脈絡はわかりませんが、「では、お聴きください」、とおっしゃってかけてくださったのが、昭和20年、21…
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 昨日、「月」に因む楽曲をいくつかあげましたところ、友人がルチア・ポップさんの『月に寄せる歌』をメールに貼って送ってくださいました。本当にそうでした。ドヴォルザークのオペラ『ルサルカ』の中で、人間の王子に恋してしまった湖の精ルサルカによって歌われるこの曲…
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 本夕、愛犬ウルフと散歩に出ましたら、東の空にややオレンジがかった大きなお月さまを発見し、わくわくいたしました。しばらくして22時少し前に観察いたしますと、だいぶ高い位置に昇って夕刻よりも小さくなり、色も白っぽくなっていましたが、プロポーションのよさは紛れも…
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 4月25日から5月11日までの緊急事態宣言発出地域は、東京、大阪、兵庫、京都の4都府県ということで、東京のほとんどの演奏会場は閉ざされましたが、新宿から小田急線で多摩川を越えた新百合ヶ丘にあるテアトロ・ジーリオ・ショウワはこれに該当せず、4月24日、25日両日の日…
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  4月23日にサントリホールへ出掛ける前に、これからラザレフ指揮の日本フィル第729回東京定期演奏会を拝聴いたします、と書いたままになっておりましたので、演奏会の様子をご報告させていただきます。 プログラムは2本立て。前半のグラズノフの7番などという、かなりのク…
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 昨日、政府が3度目の緊急事態宣言の発出を決定した、ということで、速攻でいただいたのが、東京都交響楽団の直近3公演の中止連絡でした。同じ週の同じ会場サントリーホールの、他の公演についてはまだ、主催者とホールの協議中と昨晩サントリーで伺いましたのに。 かよう…
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 本日16:30、東京都交響楽団より、下記のようなお知らせをいただきました。  4月23日に発出される緊急事態宣言及び都における緊急事態措置等により、コンサートを含むイベントに対して中止、もしくは無観客での開催が要請される見通しです。つきましては、予定しておりま…
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『モストリー・クラシック』今月発売号にベートーヴェンの不滅の恋人と実子問題を考察いたしました。「ベートーヴェンの不滅の恋人」という言葉を知ったのはもう40年近く前のことで、その時はずいぶんと謎めいた表現だと思い、詳しく知ろうとしましたが、なかなか手掛かりが…
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  本日は小平楽友サークル講座の開催日。現在ベートーヴェンのソナタ・シリーズを継続中で、今回は『熱情』に焦点を当て上記3人のピアニストの映像をじっくりと鑑賞いたしました。最後に意見交換をいたしましたところ、まず、80代の歴史的巨匠二人の矍鑠たる演奏に、皆様一…
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 昨夕東京文化会館で披露されたムーティ指揮、ヴェルディ《マクベス》演奏会形式は圧巻でした。勝因の第一はムーティの指揮を含めた総合プロデュース力、第二はマクベス夫人のアナスタシア・バルトリの類まれな声とテクニック、容姿と仕草の美しさ、第三は合唱の精緻な表現…
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 本夕は東京東京春音楽祭公演の一環として上演されるムーティ指揮、ヴェルティ《マクベス》演奏会形式上演を東京文化会館大ホールで拝聴いたします。マエストロ・ムーティの来日実現は関係者の多大な努力の成果であることはご承知の通りで、特別な防疫措置を前提とした3日間…
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 4月16日から18日までコンサート、オペラに出掛けることが多かったのに加え、いろいろと不手際が重なりましてブログの更新が叶いませんでした。やっと時間ができましたので、この間に拝聴した公演を一言ずつ振り返らせていただきます。●4月16日 19:00    東京文化会館小…
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  昨晩の「荘村清志デビュー50周年特別公演』では荘村さんが大友直人指揮東京フィルとの協演で、協奏曲作を独奏されました。ロドリーゴの『ある貴紳のための幻想曲』と『アランフェス協奏曲』そして、COBAさんへの委嘱作品である『"Tokyo"ギターとオーケストラのための協奏…
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 2020年3月29日にサントリーホールで開催予定だった荘村清志さんのデビュー50周年記念演奏会は世の状況から中止を余儀なくされました。しかし、それから13カ月後の本夕、同じサントリーホールを会場として開かれることになりました。本当におめでとうございます!  荘村先生…
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 先日、青柳いづみこさんからピアノと朗読を担当された『物語』なる最新アルバムをいただきました。昨晩はそのライヴ・コンサートを石橋メモリアルホールで拝聴しましたところ、ライヴならではの臨場感を通じて『物語』の面白さを二度味わうことができました。 曲目は、青…
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 作曲家の尾高惇忠先生が2021年2月16日にご逝去されました。わたくしはしばらくそれを知らず、鈴木優人さんがあるコンサートで、「僕の作曲の恩師が亡くなられました、残念です」と語られたのをうかがってびっくりし、詳しいことも知らないまま、一人で先生を偲んでおりまし…
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 本日14:00より銀座ヤマハ6階のコンサートサロンで、仲道郁代さんの記者懇親会が開かれました。最初に仲道さんから、この1年を振り返られてのお話がありました。 メンタル面とフィジカル面があるけれども、まずはフィジカル面のご報告をなさるというので、何事かと緊張して…
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 前夜の21時過ぎに東京21世紀管弦楽団第3回定期演奏会が終わって17時間後の4月10日14:00より、同じ東京芸術劇場で、今度は東京ニューシティ管弦楽団の第38回定期演奏会が開かれました。指揮は大友直人マエストロ、プログラムは芥川也寸志『弦楽のための三楽章・トリプティー…
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  4月9日、東京芸術劇場を会場として「東京21世紀管弦楽団」の第3回定期演奏会が開催されました。まだ若いオーケストラですが、ドイツで長らくキャリアを築いてこられた、浮ケ谷孝夫マエストロを中心として、各セクションの名手が顔をそろえた、期待の団体です。この日は、…
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