萩谷由喜子のブログ

音楽評論家・萩谷由喜子が音楽話題や日々の所感を綴っています。

  2月11日、12日に、日本オペラ協会公演、新制作『ニングル』の世界初演を拝見したことは書かせていただいた通りですが、それ以来、ずっとこのオペラが頭の片隅を離れません。ゆたかになるために、と言っても、自分個人ではなく村全体がゆたかになることを願って、森を伐採…
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 2月13日の晩、サントリーホールで読響第670回名曲シリーズを拝聴いたしました。3月いっぱいで、同響首席客演指揮者を退任される山田和樹マエストロの、最後をかざる3プログラムの一つです。一つ目の「グラズノフ、ハイドン、カプースチン、ラヴェル」は予定が合いませんで
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 「ニングル」とは、アイヌの口語伝承に語り伝えられている、地や森を守る小人で、富良野地方のアイヌの民話に登場するとのことですが、実際にニングルが登場する民話は確認されていないそうです。でも、1977年から富良野に移り住み、この地の伝承を生かした作品発信を続け
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 一昨日の晩、2月9日の読響サントリーホール定期演奏会は、後半の開始時に、指揮者の山田和樹さんから小澤征爾さんの訃報が告げられたことでも、忘れ得ぬ一夜となりましたけれど、それだけではなく、演奏会の企画自体がたいへんアイディアに富んだ、特筆すべきものでした。
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 山田和樹マエストロ指揮の読響演奏会は、前半がバルトーク『弦楽器・打楽器・チェレスタのための音楽』。小澤征爾先生のご逝去のオフィシャル発表は開演時間と同じ19:00だったため、バルトークの演奏中、山田さんはそれを知らず、休憩時間に告げられて、おそらく、運命的な
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  2月9日19:00開演、サントリーホールを会場とする、山田和樹指揮、読売日本交響楽団第635回定期演奏会に出掛けておりました。 指揮=山田和樹 尺八=藤原道山 琵琶=友吉鶴心 ●プログラム バルトーク:弦楽器、打楽器とチェレスタのための音楽 BB 114 武満徹:ノヴ
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 昨日2月8日、新国立劇場の新制作オペラ、ドニゼッティ『ドン・パスクワーレ』を拝見いたしました。演出はステファノ・ヴィツィオーリさん、指揮はレナート・ヴァルサドンナさん。オーケストラは東京交響楽団。 つい先日拝見した、チャイコフスキー『エウゲニ・オネーギン
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 1月27日に東京藝術劇場で開かれた、パシフィックフィルハーモニア東京の第162回定期演奏会では、この演奏会のために、同フィルの飯森範親音楽監督が、わが国屈指の作曲家、西村朗先生に、小菅優さんの演奏用として委嘱していた新作ピアノ協奏曲の初演がおこなわれました。
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 雪のあした、2月6日、トッパンホールのランチタイムコンサート、「中 恵菜ヴィオラ・リサイタル」を聴きました。12:15開演、12:45終演予定と明記されている通りの、掛け値なしの30分ショート・リサイタルで、プログラム記載の3曲が演奏されるとほぼぴったり予定時間に終わ
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